「イベントを企画したいけど、企画書の書き方がわからない」「上司や経営陣に承認してもらえる企画書を作りたい」——イベント担当者が最初にぶつかる壁です。
企画書はイベントの成否を左右する最初のアウトプット。しかし多くの担当者が「予算とスケジュールから書き始める」という致命的なミスを犯しています。AiWiLLが年間100本超のイベント支援で体系化した「強い企画をつくる9ステップ」では、企画書は必ずステークホルダー整理から始めると定義しています。
本記事では、AiWiLLの独自メソッドをもとにイベント企画書の9ステップ・ステップ別の書き方・種類別のポイントを完全公開します。
2016年よりB2Bイベントマーケティングに特化したキャリアをスタート。日本テレビ・Bitget等での実務を経て、2023年にSHIFT AI創業に参画しコミュニティ・スクール責任者として2年で3万人規模へのグロースを主導。2026年にAiWiLL株式会社を創業。年間100本超・累計参加者10,000人超のイベントを手掛け、「一度のイベントを半永久的なビジネス資産に変える」マーケティング設計を専門とする。SNS総フォロワー1万人超。(X,Instagram,TikTok - 2026年4月現在)
実力があるのに、競合に選ばれ続けている。 その差は、イベントの「設計」にあります。
集客・当日・二次活用・フォローまで、社長がイベントで権威性と売上を作るための全手順を一冊に凝縮しました。

イベント企画書とは?作る目的と「2つの役割」
イベント企画書とは、「誰のために・何を・いつ・どこで・どのように・いくらで開催するか」をまとめた文書です。多くの担当者が「社内承認を得るためのもの」と思っていますが、それは役割の半分にすぎません。
役割①:社内承認・予算確保の根拠
目的・費用・期待効果を明示して経営陣・上司の承認を得る。これが企画書の表の機能です。
役割②:チームと外注先を動かす「設計図」
担当者が複数いる場合の認識齟齬防止、会場・司会・制作会社への依頼仕様書、そして終了後の振り返り基準——企画書はイベントの全期間を通じた地図として機能します。
「口頭で説明すればいい」と思う担当者ほど、後から手戻りが発生します。企画書を作る工数は、後の修正コストの何倍もの価値があります。
AiWiLLの「強い企画をつくる9ステップ」
AiWiLLは年間100本超のイベント支援の中で、Kindle書籍『ビジネスは企画が9割』に体系化した独自メソッドを使っています。このメソッドの核心は「企画書は上流から書く」こと。
多くの担当者が犯す最大の失敗は、STEP9(予算・スケジュール)やSTEP7(オペレーション)から書き始めることです。実行に近いステップは具体的で動きやすい感じがしますが、上流設計なしに進めると「何のためにやっているかわからない企画」ができあがります。
| STEP | 問い | アウトプット |
|---|---|---|
| STEP1 ステークホルダー整理 | 誰が関わる企画か | ステークホルダーマップ |
| STEP2 ニーズ整理 | 本当に解くべき課題は何か | ニーズ整理シート |
| STEP3 ゴール設定 | 何をもって成功とするか | KGI/KPI設定表 |
| STEP4 成果物設計 | 何を生み出す企画か | 成果物定義書 |
| STEP5 コンセプト設計 | この企画の一言の軸は何か | コンセプトシート |
| STEP6 体験導線構築 | 参加者の体験をどう設計するか | 体験導線マップ |
| STEP7 オペレーション構築 | 誰が何をいつやるか | タスクリスト・役割表 |
| STEP8 備品・システム出し | 何が必要か | リソースリスト |
| STEP9 予算・スケジュール策定 | いつまでにいくらで実現するか | 予算表・スケジュール |
STEP1〜2で「現状を把握」し、STEP3〜5で「方向性を決め」、STEP6〜9で「実行に落とし込む」構造です。この順番を守ることで、一貫性のある説得力ある企画書が書けます。
9ステップ別・企画書の書き方
STEP1:ステークホルダー整理——「誰が関わるか」を先に出す
企画書で最初に書くのは「予算」でも「日時」でもなく、この企画に関わるすべての関係者です。ステークホルダーは顧客(参加者)だけではありません。
| 区分 | 主なステークホルダー |
|---|---|
| 外部 | 参加者(見込み客・既存顧客)・登壇者・スポンサー・会場・制作会社・メディア |
| 内部 | 経営層(承認・ROI期待)・営業(商談化への期待)・マーケ・デザイナー・CS |
それぞれのステークホルダーが「期待・不安・利害」を持っています。これを把握せずに進めると、終了後に「思ってたのと違う」というギャップが必ず生まれます。
STEP2:ニーズ整理——「3種類のニーズ」を分けて書く
ターゲット(参加者)のニーズには3種類あります。顕在ニーズだけに応えた企画は「悪くないけど、何も変わらない」という感想を生みます。
- 顕在ニーズ:自覚している課題。「ウェビナーの参加率が低くて困っている」
- 潜在ニーズ:自覚していない根本課題。「参加率の問題ではなく、企画段階のコンセプト設計が弱いのが根本原因」
- 事業ニーズ:顧客が属する組織・事業としての上位目標
この3つを分けて整理することで、「本当に解くべき課題」が見え、承認者を動かす企画書になります。
STEP3:ゴール設定——数字・期限・責任者の3点セット
「成功したかどうか」を主観で判断しないために、事前にゴールを定量化します。ゴールは3層で設計します。
- KGI(最終ゴール):受注3件・売上500万円など
- KPI(中間指標):リード獲得100件・商談化10件・商談化率30%
- オペレーション指標:参加者満足度80%以上・当日離脱率10%以下
「数値で表せる・期限がある・責任が明確・実現可能」——この4条件を満たすゴール設定が、承認を通す最大の武器になります。
STEP4:成果物設計——「何を生み出す企画か」を先に定義
ゴールが決まったら「この企画は何を生み出すのか」を具体化します。成果物が曖昧なままだと、オペレーション設計も曖昧になります。
- 直接成果物:リード・商談機会・受注・コンテンツ(動画・記事)
- 間接成果物:ブランド認知・業界ポジショニング・既存顧客関係強化
STEP5:コンセプト設計——「企画の勝負はここで決まる」
AiWiLLのメソッドで最も強調するのがこのステップです。コンセプトが決まった瞬間、企画の8割が決まります。
強いコンセプトは「誰に × 何を × なぜ今 × どう価値になるか」の4要素で構成します。
| 要素 | 問い | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|---|
| 誰に | 最も必要な1人は誰か | BtoBマーケター全般 | 初めてイベントKPIを持つBtoB担当者 |
| 何を | 具体的に何が得られるか | イベントの知識 | リード獲得から商談化まで逆算する設計型 |
| なぜ今 | 今やるべき必然性は何か | いつでもいい | デジタル施策の限界とイベント再評価の流れ |
| どう価値に | 参加後にどう変わるか | 勉強になった | 翌日から自走できる状態になっている |
コンセプトが決まれば、告知文・LPのコピー・プログラム構成・営業トーク——すべてが自然と決まります。コンセプトが弱いまま進むと、「申込が集まらない」「商談化率が低い」という症状が現れます。
STEP6:体験導線構築——「認知→商談」の全体設計
コンセプトが決まったら、参加者がどんな体験の流れを辿るかを設計します。
- 認知フェーズ:SNS・広告・メール・紹介・検索でどう知るか
- 関心フェーズ:LP・告知文・推薦者の言葉でなぜ参加しようと思うか
- 参加フェーズ:開演前・セッション中・交流タイムでどんな体験をするか
- フォローフェーズ:御礼メール・コンテンツ提供・商談設定への流れ
体験導線を一本の地図として描くことで、「どこに離脱ポイントがあるか」「どこを改善すれば商談化率が上がるか」が明確になります。
STEP7:オペレーション構築——役割分担と当日進行
「誰が・何を・いつやるか」を構築します。タスクリスト・役割分担・当日の進行表・緊急時対応フローを企画書に含めます。
| 時間 | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| 13:00 | 開場・受付 | 運営スタッフ |
| 13:30 | 開会・代表挨拶(10分) | 代表取締役 |
| 13:40 | 基調講演(40分) | 登壇者A |
| 14:20 | 休憩(10分) | — |
| 14:30 | パネルディスカッション(45分) | MC+登壇者B・C |
| 15:15 | Q&A・クロージング(15分) | MC |
| 15:30 | ネットワーキング | 全員 |
STEP8:備品・システム出し——見落としやすいリソース
企画を実行するために必要なリソースをすべて洗い出します。よく見落とされるのは以下です。
- MA・CRM・SFAなどのシステム連携(参加者データの受け取り先)
- 参加者管理・名刺管理ツール
- 音響・映像・配信回線(外注範囲の明確化)
- フォロー用メールテンプレートの事前準備
STEP9:予算・スケジュール策定——費目別に積み上げ・逆算で組む
「総予算100万円」ではなく費目別に積み上げます。スケジュールは「当日から逆算」で組み、マイルストーンとバッファを必ず設けます。
| 費目 | 概算 | 備考 |
|---|---|---|
| 会場費 | 30万円 | ホテル宴会場・設備込み |
| 制作・演出費 | 25万円 | 映像・スライド・司会 |
| 集客・広告費 | 15万円 | SNS広告・DM印刷 |
| 飲食・備品費 | 20万円 | 懇親会・名札・資料印刷 |
| 登壇者交通費等 | 5万円 | 謝礼・交通費 |
| 予備費(10%) | 10万円 | 想定外対応用(必須) |
| 合計 | 105万円 |
予備費10%は必ず計上します。「想定外はない」と思っているイベント担当者は必ず予算超過します。
社内承認を通す企画書のポイント5つ
9ステップを踏んだ企画書でも、書き方を間違えると承認が通りません。AiWiLLが支援してきた中で見えてきた「通る企画書」の共通点を共有します。
① 1枚サマリーを先頭に置く
A4・1枚のエグゼクティブサマリーを最初のページに置きます。目的・ターゲット・日時・予算・KPIをこの1枚に凝縮。多忙な経営陣はサマリーしか読まないことも多いです。
② 「なぜイベントか」を最初に説明する
「イベントをやりたい」ではなく「この課題をイベントで解決できる理由」を書きます。他の手段(広告・メルマガ)と比較した上でイベントを選ぶ根拠を示すと承認率が上がります。
③ 数字と事例で説得する
「参加者が満足するイベント」ではなく「参加者満足度94.9%・翌月商談率28%を達成した事例を参考に設計」。他社・自社の過去実績を引用することで、リスクが低く見えます。
④ リスクと対策をセットで書く
「集客が想定を下回った場合:SNS広告費を追加投下。上限は〇万円まで」のように、リスクと対応策を先に書いておくと承認者の不安が消えます。リスクを隠す企画書は承認後に信頼を失います。
⑤ 「誰がやるか」を明示する
担当者・外注先・承認フローが不明な企画書は「で、誰がやるの?」で止まります。役割分担表と外注先の実績まで書くと安心感が上がります。
イベント種別・目的別の企画書ポイント
イベントの種類によって、9ステップの中で特に注力すべきステップが変わります。
社員総会・キックオフイベント
重点STEP:STEP5(コンセプト設計)・STEP6(体験導線)
- 「何を伝えて何を感じてほしいか」がコンセプトの核心。先に決める
- 経営陣スピーチ・表彰・チームビルディングの体験導線をSTEP6で一本化
- 100名以上は音響・映像・MC外注を前提にSTEP8で洗い出す
- ハイブリッド開催はオンライン参加者のエンゲージメント設計(投票・Q&A)をSTEP6に追加
BtoBセミナー・カンファレンス
重点STEP:STEP2(ニーズ整理)・STEP3(ゴール設定)・STEP6(体験導線)
- 参加者フェーズ(初回接触・既存リード・既存顧客)別にニーズを分けてSTEP2に記載
- KGIは「受注件数」・KPIは「リード獲得数・商談化率」でSTEP3に設定
- 終了後のフォロー(御礼メール・商談打診)まで体験導線に含める
周年パーティ・式典
重点STEP:STEP5(コンセプト)・STEP9(予算・スケジュール)
- 周年の「数字の意味」を企画書の冒頭に明文化。コンセプトの出発点にする
- 会場候補は3案(A案・B案・C案)の費用・収容人数・メリットをSTEP9に並記
- 映像・写真の外注範囲をSTEP8で先に確定(二次活用のための記録は必須)
ウェビナー・オンラインイベント
重点STEP:STEP6(体験導線)・STEP7(オペレーション)・STEP8(ツール)
- 使用ツール(Zoom・Remo等)と技術担当をSTEP8で確定
- 配信トラブル時の対応フローをSTEP7に必ず記載
- 録画・アーカイブ配信の方針を体験導線のフォローフェーズに含める
プロに任せる選択肢|AiWiLLのイベント企画・制作支援
「企画書は書けるが、実際の制作・運営は外注したい」という担当者に向けて、AiWiLLの支援内容を紹介します。
| 支援範囲 | 内容 | 対応サービス |
|---|---|---|
| 企画設計(9ステップ) | ステークホルダー整理〜コンセプト設計まで | WiLLCREW / WiLLSTAGE |
| 制作・演出 | スライド・映像・MC・音響・進行台本 | WiLLSTAGE |
| 集客支援 | LP制作・メール配信・広告運用 | WiLLCREW |
| 当日運営 | スタッフ手配・リハーサル・配信技術 | WiLLSTAGE |
| 二次活用 | 動画編集・広告素材化・アーカイブ配信 | WiLLCREW |
AiWiLLが特徴的なのは「当日だけ」ではなく、企画設計〜集客〜当日〜二次活用まで一気通貫で対応できる点です。また助成金バンドルモデル(AI研修とイベント制作をセットで企業の実質負担を大幅圧縮)にも対応しています。
よくある質問
Q. 企画書はどのくらいの枚数で作るべきですか?
社内承認用なら1枚のサマリー+詳細5〜10枚が目安です。外注先へのブリーフィング用は10〜15枚になることもあります。重要なのは「9ステップが揃っているか」であり、枚数ではありません。
Q. 予算が少ない場合、何を削ってよいですか?
削ってはいけないのは「集客費用(STEP9)」と「音響・映像(STEP8)」です。削りやすいのは「印刷物(デジタル化)」「飲食(簡素化)」「会場グレード(規模を正確に読む)」の3点です。
Q. 企画書の承認が通らない場合、どこを直すべきですか?
最多の否決理由は①「目的が曖昧(STEP3が弱い)」②「ROIが見えない(STEP3のKGIが不明)」③「リスクが書かれていない」の3点です。コンセプト(STEP5)が弱い場合は、上流のSTEP1〜2に戻って整理し直すことが根本対策です。
Q. 9ステップを全部一人でやるのは難しいです。どうすればいいですか?
STEP5(コンセプト設計)だけでも外部の視点を入れると格段に精度が上がります。AiWiLLでは「企画段階からの相談」を受け付けています。初回は無料です。
まとめ|イベント企画書は「上流から書く」が鉄則
- 企画書は承認ツールであると同時に、チームと外注先を動かす「設計図」
- 最大の失敗は「予算・スケジュールから書き始めること」。必ずSTEP1(ステークホルダー整理)から
- 9ステップ:ステークホルダー→ニーズ→ゴール→成果物→コンセプト→体験導線→オペレーション→備品→予算
- コンセプト(STEP5)が決まった瞬間、企画の8割が決まる
- 承認を通すには「1枚サマリー・ROI・リスク対策・役割明示」の4点
- イベント種別によって重点STEPが変わる(社員総会はSTEP5、BtoBセミナーはSTEP2・3)
AiWiLLでは、この9ステップをベースにしたイベント企画・制作・集客・二次活用の一貫支援を行っています。「企画書の段階から一緒に作りたい」「まず相談だけ」も歓迎です。初回相談は無料です。

