共催ウェビナーは、決めることが単独開催の2倍あります。意思決定者が2社にいるからです。テーマ・集客・運営・リードの扱い——どれも「あとで決めましょう」と先送りした項目が、開催直前の混乱と開催後の不満に変わります。逆に言えば、共催の成功は段取りの技術です。
AiWiLLは累計112件のウェビナー・イベント企画を支援する中で、共催案件を両社の間に立つ事務局として数多く進行してきました。本記事では、共催ウェビナーを打診から開催後の振り返りまで、8週間の標準スケジュールに落として解説します。キックオフMTGのアジェンダ、週次の連携リズム、2社間で起きやすい進行トラブルの防ぎ方まで——「何をいつ、どちらがやるか」が全部わかる実行手順書です。なお、相手選びの基準・リード共有の取り決めなど戦略面の設計は共催ウェビナーの企画方法で先に固めておいてください。本記事はその実行編です。
2016年よりB2Bイベントマーケティングに特化したキャリアをスタート。日本テレビ・Bitget等での実務を経て、2023年にSHIFT AI創業に参画しコミュニティ・スクール責任者として2年で3万人規模へのグロースを主導。2026年にAiWiLL株式会社を創業。年間100本超・累計参加者10,000人超のイベントを手掛け、「一度のイベントを半永久的なビジネス資産に変える」マーケティング設計を専門とする。SNS総フォロワー1万人超。(X,Instagram,TikTok - 2026年4月現在)
実力があるのに、競合に選ばれ続けている。 その差は、イベントの「設計」にあります。
集客・当日・二次活用・フォローまで、社長がイベントで権威性と売上を作るための全手順を一冊に凝縮しました。

まず結論:共催は「8週間・5フェーズ」で進める
| フェーズ | 時期 | やること | 完了の証拠 |
|---|---|---|---|
| ① 打診・合意 | 8〜7週間前 | 目的・ターゲット・日程候補のすり合わせ | 開催合意と日程確定 |
| ② キックオフ | 7〜6週間前 | 役割分担・費用・リードの扱いを1枚の合意メモに | 合意メモを両社で保存 |
| ③ 制作・告知準備 | 6〜4週間前 | テーマ確定、申込ページ、告知文、フォーム同意設計 | 申込ページ公開 |
| ④ 集客・制作仕上げ | 3週間前〜前日 | 両社の告知実行、台本・資料、合同リハーサル | 申込目標の進捗確認×週次 |
| ⑤ 開催・開催後 | 当日〜1週間後 | 当日運営、リード共有、フォロー実行、振り返り会 | リード納品と次回判断 |
単独開催が4〜6週間で回るのに対し、共催は2社の社内確認が毎工程に挟まるため、+2週間を見込みます。8週間を切る場合は、フェーズ②の取り決めを削るのではなく、テーマ・制作物の凝り具合を削ってください。取り決めの省略だけは、後で必ず高くつきます。
キックオフMTGのアジェンダ|60分でこの7つを決める
共催の成否はキックオフで8割決まります。60分のMTGで次の7項目を順番に決め、その場で合意メモにしてください。
| # | アジェンダ | 決めること |
|---|---|---|
| 1 | 目的の確認(10分) | 両社それぞれの「開催後に残したいもの」を数字で共有 |
| 2 | ターゲットとテーマ方向(10分) | 両社の顧客が重なる課題は何か。テーマの仮案 |
| 3 | 集客分担(10分) | 各社の申込目標数・告知チャネル・告知回数 |
| 4 | 運営分担(10分) | 申込管理・リマインド・配信・司会をどちらが持つか(または共同外注) |
| 5 | 費用分担(5分) | ツール・外注費・広告費の負担割合 |
| 6 | リードの扱い(10分) | フォーム同意文言・共有範囲・共有形式・フォローの棲み分け |
| 7 | 進行ルール(5分) | 週次定例の曜日・各社の確認担当者1名・確認の返答期限(48時間) |
特に7番を飛ばさないでください。共催の進行が止まる原因の大半は、「相手の社内確認待ち」です。確認窓口を各社1名に絞り、48時間ルールを合意しておく——これだけで進行速度が変わります。
制作・告知準備|「どちらが作るか」より「どちらの名義か」
制作物は、作る側ともう一方の確認で進めます。揉めやすいポイントを先回りで押さえてください。
- 申込ページ:主管側が作成し、もう一方はロゴ・会社紹介文・登壇者情報を期限つきで提供。両社への情報提供の同意文言は法務確認が必要になりがちなので、最初の週に着手する
- 告知文:共通の「基本文面」を1本作り、各社が自社の言葉・名義に書き換えて配信する。同一文面の一斉配信は、受け手に「営業連合」感を与えます
- 資料・台本:各社パートは各社が作成。ただし冒頭・接続部・クロージングは司会側が一括で台本化し、「2本の別々のプレゼン」にならないようにする
- 進捗の見える化:制作物・期限・担当を1枚のシートで共有。メールの往復で管理しない
申込ページの構成はセミナーLPの申込率を上げる改善チェックリスト、告知の設計はBtoBウェビナー集客の設計方法を共通の基準として両社で参照すると、品質の議論が速くなります。
集客フェーズ|週次定例で「数字だけ」を見る
告知開始後の週次定例は15分で十分です。見るのは数字だけ——各社の申込数(目標比)、流入元、残り期間の打ち手。ここで重要なのが、申込者の所属がどちらのリスト経由かを最初から分けて計測することです。これがないと、振り返りで「どちらの集客が機能したか」が分からず、次回の改善も分担の調整もできません。
片方の集客が遅れている場合の打ち手も、責めるのではなく事前合意です。「目標の50%を切ったら追加告知1本」「両社合計が目標未達なら登壇者からの個別案内を追加」のように、数字とアクションを紐づけておくと、気まずさなく動けます。
当日〜開催後1週間|共催特有の動き
当日運営の基本は単独開催と同じです(体制とタイムラインはウェビナー当日運営マニュアルを参照)。共催特有の注意は3つだけです。
- 司会は1名に固定する。2社で交互に司会をすると進行が途切れます。司会は主管側(または外部)の1名、もう一方はパート登壇に集中
- 合同リハーサルを必ず1回。各社別々のリハだけだと、接続部(パートの受け渡し)で必ず事故ります。前週に60分、全員で通してください
- 開催後48時間の動きを「時間割」にする。翌日:主管側が御礼メール+アンケート集計→リード共有(合意した形式・範囲で)。2日後:各社がそれぞれのフォローを実行(重複送信しない棲み分けは合意メモの通り)。1週間後:30分の振り返り会で数字と次回判断
フォローメールの文面はウェビナー後フォローメール例文を、温度別の動きはHOT/WARM/COLD分類をベースに、共催版(どちらが送るか)を上書きして使ってください。
2社間で起きやすい進行トラブル3つと防ぎ方
| トラブル | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 確認待ちの渋滞 | 制作物が相手の社内確認で1週間止まり、告知開始が遅れる | キックオフで「窓口1名・48時間ルール」を合意。期限超過時は主管側の判断で進める権限も決めておく |
| 集客の偏り | 片方だけが集め、不公平感で次回がなくなる | 申込経路を分計し、未達時の追加アクションを数字で事前合意 |
| 温度差の露呈 | 片方は商談目的、片方は付き合いで、当日の熱量と準備に差が出る | キックオフ前の打診段階で、相手の目的とKPIを数字で聞く(出てこなければ共催しない) |
共催の進行チェックリスト10項目
- □ 1. 開催8週間前にキックオフを設定したか(最低でも6週間前)
- □ 2. キックオフで7項目を決め、1枚の合意メモにしたか
- □ 3. 各社の確認窓口1名と48時間ルールを合意したか
- □ 4. 申込フォームに両社への情報提供同意を入れ、法務確認を最初の週に出したか
- □ 5. 告知文は共通基本文面+各社名義のカスタマイズ方式か
- □ 6. 申込者の流入経路(どちらのリスト経由か)を分計できるか
- □ 7. 週次15分定例(数字レビュー)を設定したか
- □ 8. 集客未達時の追加アクションを数字で事前合意したか
- □ 9. 合同リハーサル(前週・60分)を予定に入れたか
- □ 10. 開催後48時間の時間割(御礼・共有・フォロー・振り返り)を決めたか
AiWiLLは共催の「中立進行役」を担えます
WiLLWEBINARは、60分ウェビナー1本15万円(税別)で、企画・告知・当日運営・開催後フォロー・簡易レポートまでを一気通貫で支援するAiWiLLのウェビナー運用代行サービスです。共催案件では、両社の間に立つ中立の事務局として、キックオフの設計、合意メモの整備、進行管理、当日運営、リード共有の実務までを担います。2社の調整コストこそが共催最大の壁——そこを外に出せば、両社とも本来の仕事(テーマと登壇)に集中できます。
累計企画数112件、累計参加人数10,551名、顧客満足度94.9%、平均申込率52%(業界平均10〜15%)。費用を両社で折半する形のご相談も可能です。
よくある質問
共催ウェビナーの準備期間はどのくらい必要ですか?
打診から開催まで8週間が標準です。単独開催(4〜6週間)に比べ、2社の社内確認が毎工程に挟まるため2週間ほど余分にかかります。8週間を切る場合は制作物の凝り具合を削り、取り決め(キックオフの7項目)は省略しないでください。
キックオフでは何を決めればよいですか?
目的、ターゲットとテーマ方向、集客分担(目標数つき)、運営分担、費用分担、リードの扱い、進行ルール(窓口1名・48時間ルール)の7項目です。60分で決め、その場で1枚の合意メモにするのが鉄則です。
司会はどちらの会社がやるべきですか?
主管側の1名に固定するか、中立の外部に出すのが安定します。2社で交互に司会をすると進行が途切れ、パートの受け渡しで事故が起きやすくなります。司会を出さない側は登壇内容に集中してください。
相手の集客が進まないときはどうすればよいですか?
その場で交渉するのではなく、事前合意で防ぎます。「目標の50%を切ったら追加告知1本」のように、数字とアクションを紐づけたルールをキックオフで決めておけば、気まずさなく軌道修正できます。
リハーサルは2社合同でやるべきですか?
必須です。各社個別のリハだけでは、パートの受け渡し・画面共有の切り替え・時間超過の調整が確認できません。開催前週に60分、登壇者・司会・配信担当の全員で通してください。
共催の進行管理だけ外注できますか?
できます。WiLLWEBINARでは、中立の事務局としてキックオフ設計から進行管理、当日運営、リード共有の実務までを請け負えます。両社で費用を折半する形にも対応しています。
まとめ:共催の成功は「調整力」ではなく「事前合意の量」
共催ウェビナーがうまい会社は、調整がうまいのではありません。調整が発生しないように、キックオフですべてを決めているだけです。8週間のフェーズ、7項目の合意メモ、窓口1名と48時間ルール、数字に紐づいた追加アクション——本記事の段取りをそのまま使えば、初めての共催でも「もめずに、遅れずに、成果が残る」進行ができます。
最初の一歩は、相手に打診する前に自社側の答え(目的の数字・出せるチャネル・任せたい運営範囲)を埋めておくことです。準備された打診は、それ自体が相手への信頼の証明になります。

