AI顧問の最初の90日は、最低契約期間の3か月とちょうど重なります。この3か月で目指すのは、AIを入れることではありません。会社の中で、自分たちでAIを使って仕事を回せる状態をつくることです。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。

理想の道は決まっています。最初の2か月でAI社員をしっかり作り、3か月目に社員へ渡して、自分たちでもAIを使って仕事ができるようになる。順調に進めば、この形です。

3か月の終わりには、続けるかどうかを一緒に決めます。自動更新はありません。そして、一通りの業務改善とAI導入が終わり、社内で自走できる状態になったら、終了もこちらから提案します。この記事では、1か月目から3か月目までに起きることと、3か月の終わりに何を見て決めるかを書きます。

3か月の進め方

契約前、1か月目、2か月目、3か月目、3か月目の終わりと進み、毎月請求書と一緒にリターン明細書を渡す流れを示す図

図は、AI社員から始める場合の一例です。何を何体つくるか、研修や会社訪問をいつ入れるかは、会社ごとに提案し、合意してから進めます。料金は初月10万円、翌月から月30万円(いずれも税別)で、定例は月2回です。金額の中身はAI顧問の費用に書いています。

1か月目:目に見えて変わる「最初の一手」

縦に効果の大きさ、横にAIに任せる難しさをとった4つの区画。効果が大きく簡単な左上が最初の一手、効果が大きく難しい右上が2手目以降で防災点検の報告書はここ、効果が小さい下の2つはついでに進めると後回しを示す図

1か月目にやることは、オリエンテーションではありません。その会社で、目に見えて仕事が変わるところに最初の一手を打つことです。いちばんルーティンで回していて効果が出る仕事で、なおかつAIに早く、簡単に任せられるものから選びます。

選び方の基準と、防災点検の現場で3か月かかって学んだことは、AI顧問の1ヶ月目に詳しく書いています。

2か月目:回り始めると、相談が膨らむ

最初の一手が回り始めると「これもAI化できる?」という相談がたくさん出てくるが、早く実運用できて効果が高いものから一つずつ確実に着手することを示す図

1業務が現場で回り始めると、次の問いが出ます。

「次はこれ、これもAI化できる?」

AIを使えると便利になりそうな業務が、見えるようになります。相談は膨れ上がります。

ここで全部を同時に広げると、1か月目に残した型が薄くなります。私は、一番早く実運用できて、効果が高いものから、一つずつ確実に着手します。何体作るかを先に約束することはしていません。

広がり方は、会社によって違います。防災設備の点検・保守を行う会社では、点検報告書のあとに、社員18名が自分の仕事でAIを使えるように導入を広げ、仕入先への発注メールの下書きにも手を伸ばしました。地方の老舗旅館では、口コミへの返信の下書き、公募情報の定期的な確認、公式サイトの記事とサムネイルづくりへと、取り組む仕事が増えていきました。

防災点検の会社の会議室で、社員の方々がそれぞれのノートPCに向かって作業している様子
防災点検の会社での打合せ。社員の方がそれぞれのPCで、自分の仕事にAIを使っています。

3か月目:作る側から、使う側へ

AI社員が回り始めると、人がやることが減ります。手が空いたところで、話が変わります。

業務が減って得をした、その次に、もっと効くAIの使い方があります。経営者や幹部、社員が、自分でAIを使う側に回る話です。新規事業を考える。マネジメントをする。新しい打ち手を出す。AI社員には渡せない、手順の決まっていない仕事です。

そのために、AI社員から始める場合の一例では、3か月目に社内でAIを使えるようにする研修を入れます。座学ではなく、社員が自分の担当業務を持ち込み、その場でAIに進めさせる研修です。業務の要件を決める、AIに実行させて確かめる、うまくいった手順をマニュアルにする、ルーティンで回す。この流れを、一人ひとりが自分の仕事で繰り返せるようにします。

防災点検の会社の会議室で、社員の方がそれぞれのノートPCでAIを操作し、前方のスクリーンにAIの作業画面が映っている研修の様子
防災点検の会社での研修。社員の方がそれぞれのPCで、同じ操作を進めています。

会社によっては、ここまで3か月では届きません。社内の業務がどれくらい把握されているか、資料がどれくらい整理されているかで変わります。その場合は、どこまで進んだかを振り返って、残りをどう進めるかを一緒に決めます。

3か月の終わりに決めること

3か月の振り返りから、自動更新なしで2つに分かれる。次のAI社員や次の業務へ続けるか、自走して終えるか(こちらから終了を提案することも)を示す図

自動更新はありません。3か月目の終わりに振り返って、続け方を一緒に決めます。

続ける場合は、「次はこのAI社員を作りましょうか」と、こちらから提案していく形です。4か月目以降も、同じ月額で続けられます。

一方で、私はお客様に本当に合った支援をしたいと思っています。支援がひととおり進み、費用に見合わない状態になったら、終了もきちんと提案します。目安は、一通りの業務改善とAI導入が終わって、社内で自走できる状態になったときです。

終えたあとも、整えた資料・仕組み・データは御社名義で残ります。AIツールも御社名義で契約しているので、道具とデータは手元に残り、社内でそのまま使い続けられます。

「自走できる状態」を、自社で確かめる

自走できる状態の5つの目安(最初の一手が毎日の仕事で回っている、手順のマニュアルが残っている、新しい仕事を自分たちでAIに渡せる、最新版の資料の置き場が決まっている、人が確認する箇所を社内で説明できる)のチェックリストの図

自走できるかどうかは、感覚ではなく、次のような点で確かめられます。3か月の終わりに、自社で答えてみてください。

  • 最初の一手が、毎日の仕事の中で実際に回っているか
  • その仕事の手順が、マニュアルとして残っているか
  • 新しい仕事を、自分たちで要件にまとめてAIに渡せるか
  • 会社の最新版の資料をどこに置くかが決まっているか
  • AIの出力のどこを人が確認するかを、社内で説明できるか

全部に「はい」と答えられるなら、社内で自走できる状態に近づいています。まだ「いいえ」が多ければ、そこが4か月目以降に取り組むことです。

90日で残るのは、進行表ではありません。実運用に乗った業務と、それを自分たちで回せる人、そして次に着手する候補の順番です。AI顧問が何をする伴走なのかは、AI顧問とはに書いています。


取材・資料:2026年9月9日・16日・28日の赤堀亘への取材と、顧問セッションの記録をもとに構成しました。社名は出さず、業種だけを記載しています。料金と条件は2026年9月20日に確定したものです。

医療、建設、農業、営業、製造、飲食など、さまざまな仕事の人が並ぶAiWiLLのキービジュアル。AIを使いこなす会社は、イケてる。

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初月10万円で、AI顧問、使い放題。

月2回・隔週90分の定例枠で、AI社員の開発・改善、社員研修、導入設計・戦略、会社訪問を、御社の仕事に合わせて選べます。定例の間もチャットで相談できます。

初月10万円、翌月から月30万円。最低3か月・総額70万円(いずれも税別)。訪問の交通費、AIツール利用料は別途実費です。

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