不動産会社の電話窓口には、日中と時間外で転送先や転送方式を切り替える作業があった。AiWiLL側の提供物として、手動の設定案内と、その後の自動切替コードが残っている。自動化では、失敗したまま繰り返すことや、途中だけ設定が変わることにも対処する必要があった。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。

今回確認したのは、実行プログラムと説明書である。人が決めた条件で設定を切り替える仕組みであり、AIが電話の内容を読んで転送先を判断した記録はない。コード制作時の生成AIの利用範囲も未確認だが、支援として何を実装したかは確認できる。

切替は、一つの設定を変えるだけではなかった

コードには、日中用と夜間用の切替、状態の確認、転送の開始と停止が分かれている。変わるのは転送先だけではなく、無条件に転送するか、応答できない場合に転送するかという方式も含まれる。

説明書では、切り替える方向によって設定する順番を変えていた。途中の状態で、意図しない相手へ一律に転送されることを避けるためである。自動化の完成条件を「必要なボタンを押した」に置くと、この途中状態は見えなくなる。

また、すでに目的の設定なら変更を省く処理がある。同じ処理がもう一度呼ばれても、毎回設定し直すことを前提にしていない。

失敗したら、再試行する前に分ける

一時的な競合なら時間を置いて試せる場合もある。一方、認証に失敗しているのに繰り返せば、同じ失敗を積み重ねる。コードはその二つを区別し、ログインの失敗を検出した場合には印を残し、以後の自動実行を止める構成だった。

処理後は、画面を開き直して転送先と方式を読み、期待した状態と一致するかを確認する。最後にログアウトを試みる処理もある。設定を送ったという出来事と、設定が反映されたという結果を分けている点が、この実装の具体的な特徴だ。

通知の呼び出しもコードには存在するが、通知先の設定や配送の成功を今回確認したわけではない。コードがあることから、実際に通知が届いているとは言えない。

手順書とコードの違いも、確認事項として残す

先行する手動案内と、後のコードでは、参照する通信会社の地域サイトの記載に違いがあった。このまま公開用の操作マニュアルにすると、どちらを使うべきかを読者が判断できない。この記事では設定URLや電話番号を紹介せず、実装上の判断に対象を絞った。

確認できた成果物は、切替プログラム、実行用の補助ファイル、定時実行の設定例、説明書である。設定例が置かれていることは、現在その予定で毎日動いている証拠にはならない。稼働ログ、実機の着信試験、連続運用の結果は今回取得していない。

小さな操作の自動化でも、目的の状態を決め、途中の順番を考え、失敗時に止まり、最後に読み直す仕事が必要になる。このコードは、その設計が確認できる制作物として残っている。

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