AiWiLL代表の赤堀亘に、AI社員とAI顧問について聞きました。AI社員とは何か、その裏側はどうなっているのか、チャットボットやChatGPTと何が違うのか。AI顧問というサービスの中身、その先にあるカンパニーブレインという構想。そして、商談の進め方から契約後にやること、この仕事に必要な力まで。約50分、話は会社の1000年先とロボットにまで及びました。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

日本テレビ・Bitget等でのB2Bマーケティング実務を経て、2023年にSHIFT AI創業へ参画。コミュニティ・スクール責任者として2年で3万人規模へのグロースを主導。2026年、静岡県熱海市でAiWiLL株式会社を創業。生成AI顧問「WiLLAGENT」として、防災設備・不動産管理・旅館・飲食など現場型の中小企業に入り、売り上げ向上に寄与するマーケティングや営業施策をどうAIで質を上げ、数を増やすかを一緒に考え抜き、人手不足のなか報告書・見積・マニュアルづくりといった実務をいかにAIで省くかといった、AIを使った事業づくりを伴走支援している。生成AI研修・Eラーニングの監修も担当。企画したイベント・ウェビナーは累計112件、参加者は1万人超。

聞き手の質問と赤堀の答えを、ほぼそのままの形で載せます。

編集注:料金の具体額と契約期間の月数は、本記事では扱いません。現在の金額・最低期間・更新条件は AI顧問の費用 に、現行の提供プログラムは AI顧問とは に記載しています。取材時点の説明と現行条件が異なる箇所は、本文中で都度ことわりを入れています。

近況と、AI顧問の仲間づくり

聞き手 どうですか、最近は。

赤堀 最近はありがたいことに、ちょっと忙しいですね。

聞き手 忙しい。今は何が忙しいんですか?

赤堀 今はAI顧問で、AI社員をつくるというところが忙しくなってきました。

聞き手 早速メインテーマのところですね。

赤堀 お客さんも増えてきて、実績や事例もできてきました。それを再現できる仲間が欲しいというのが、今の課題になってきていますね。

聞き手 一番大変なところというか、難しいところですよね。仲間づくりとか、集めるところって。

赤堀 そうなんです。

聞き手 ここ重要だし、大変だしって感じですよね。

赤堀 そうですね。もう、やってほしいことは結構明確になってきているんですよ。

いわゆる、お客さんと信頼関係をつくっていくコミュニケーションが取れる。そして、実際に自分たちが提供できる価値を説明できること。それを実際に提供できること。

なので、AI顧問として働ける人と、営業できる人が欲しいなと。

聞き手 AI顧問として働ける人は、AIの専門家みたいな感じの人で、営業の人は営業の人でまた別という、2種類の募集したい人がいるってことですかね?

赤堀 そうそう。もちろん理想で言うと、仕事のことを分かっているから商談もできる、という人になれば一番理想なんだけど、最初は一個一個かなと思っている感じです。

聞き手 業務とかは覚えていけばできるとして、「こういう人が働きに来てくれるとめちゃくちゃ嬉しいな」みたいな、理想の人材ってどういう人になります?

赤堀 2つあって、1つがビジネス的な話です。

自分でお客さんを見つけてくる。僕がよくやっているのは、経営者交流会だったり、既存のお客さんと仲良くなって紹介いただけるように、自分自身の信頼性を高めていくことです。

「この人、俺の知り合いなんだけど、AIのことで悩んでいて。話聞いてあげてよ」

そんな感じでつながっていけるように、自分のネットワークを広げたり、お客さんから信頼を得て紹介いただけるように動ける人。ビジネスを広げていける人、というのが1つです。

聞き手 なんか、スーパー営業マンみたいな感じですかね。

赤堀 というのが1つ。

もう1つは、お客さんのことをちゃんと考えてあげて、「お客さんの悩みをどうやったらAIを使って解決できるかな」という探求ができる人だよね。

軸の話で言うと、お客さんのことを考えて、実行したり提案したりして、信頼を勝ち取っていくということに集約されるんだけど。やっていることとしては、信頼を勝ち取ってお客さんを広げていくことと、お客さんにちゃんと価値提供していくこと。この2つを押さえられる人だと、めちゃくちゃいいなと思っています。

実際にやること、やった方がいいことは大枠できているし、僕とかに聞いてもらえれば、今はかなりどうにか回せると思うので、まずはそこのスタンスですね。

聞き手 学ぶ意欲がある人、みたいな感じですかね?

赤堀 だから正直、知識ゼロでも別に問題ないです。

聞き手 なるほど。

赤堀 意欲があって、ちゃんとキャッチアップしていって、ちゃんと手を動かす。

聞き手 極端な話、ビジネス経験があまりない人でもいいってことですか?

赤堀 多少あるに越したことはないけれども。

経験があるんだったら、あとはお客さんにどれだけ集中できるかとか、今やっているAIの使い方、お客さんにどういう価値提供をしていくか、というところだけ一緒にすり合わせたら、そんなに難しいことはしていないかな。

AI社員とは何か

聞き手 じゃあ、その具体的なAI顧問というんですかね、AI社員ができていくまでの過程を具体的に聞きたいなと思うんですけど。そもそもAI社員というのはどういうものなのか。どういう人にとってありがたいものなのか、というのを聞きたいです。

赤堀 まず、皆さんがいつも使っているメッセージツール。例えばLINEとかSlackとか。そこに、自分の仕事を知ってくれているAIさんが1人いたら、すごく便利だと思いませんか?

例えば、いつもやっている業務が終わって、メモをいっぱい取っていますと。そのメモを写真に撮ってLINEに送るだけで、会社のフォーマットに沿った報告書ができる。

聞き手 なるほど、なるほど。

赤堀 レシートの写真を撮ってLINEに送るだけで、経費申請ができてしまうとか。

聞き手 なるほど。確かに楽ですね。LINEの友だち追加みたいな感じで、そのAI社員さんを追加するみたいな感じ?

赤堀 そうですね。

あとは、写真を撮ったり動画を送ったりするだけで、SNS用の動画ができるとか。投稿までしてくれる。そうなったら、社員とLINEでコミュニケーションして「この仕事お願いします」と言うのと変わらないじゃないですか。

本当に人間の代わりになるような、24時間365日働いてくれる、会社のことを知り尽くしたフルリモートの社員をつくるのと、かなり近い。それが「AI社員をつくる」ということです。

AI社員の仕組み

赤堀 意外と裏側はシンプルなんです。

まず、会社の情報をまとめるためのデータベースが必要です。そのデータベースはGoogle Driveだろうが、GitHubだろうが、Notionだろうが、何でもいいんです。

その次に、そのデータを参照できるAIを置く。Claude Codeだったり、Codexだったり。最近だと僕はGrokをすごく推しているので、Grokにその情報を渡す。これで、まず頭脳ができます。

次に、そのAIが24時間365日働く職場をどう用意するかという話になります。そこでVPSというサービスを使って、AIの職場を用意してあげます。

VPSというのは、クラウド上のパソコンだと思ってください。クラウド上のパソコンを用意して、そこにClaudeやCodex、Grokなどを導入する。そうすると、24時間動くクラウド上のパソコンにAIが入った状態になります。

そこに、さっき言ったデータベースのデータを入れたり、AIから参照できるようにしたりすれば、クラウド上にAIがいつでも動ける状態ができます。

聞き手 VPSっていうものにAIを入れておいたら、勝手に働いてくれるっていうこと?

赤堀 そういうことです。

もうちょっと分かりやすく言うと、みんなが持っている物理的なパソコンがあるじゃないですか。あれを24時間365日稼働させ続けて、リモートでアクセスするのと、形としてはそんなに変わらないんですよ。

聞き手 なるほど。ずっとパソコンを起動しておいて、そのパソコンで作業するのを、リモートの社員さんにやってもらうみたいな。

赤堀 そうだね。

それがまずAI社員をつくるということで、さらに利便性を高くするために、そのAI社員にアクセスするための窓口、つまりどういうチャットツールを使うかを決める。

聞き手 LINEとか。

赤堀 そう。

そこまで一連の仕組みができて、お客さんが普段使っているメッセージツールとAI社員をくっつければ、AI社員が完成するというイメージです。

チャットボットやChatGPTとの違い

聞き手 それって、チャットボット的なものとの違いは何なんですか?

赤堀 本質的には近いんだけど、「どこにあるのか」、そして「どこまでできるのか」が違います。

このAI社員の作り方をすると、普通のチャットボットと違って、そのAIが作業できる環境が明らかに広い。パソコンでできることを幅広く実行できる状態のAI社員をつくれます。

聞き手 じゃあ、セキュリティ面は一旦置いておいて、「これ登録しておいて」「これ予約しておいて」「これ買っておいて」とか、そういうことも可能ってこと?

赤堀 そうですね。

通常のチャットボットというのは、構造にもよるんだけど、データをセットしておいて、そのデータを読み込んで応答する機能を持ったAIがチャットにいる状態。だから、作業をさせるというよりは「情報検索のAI」に近い。

こっちは、AIエージェントを誰でも使える状態にする、という違いがあります。

聞き手 それが一番大きい違いですね。事前に読み込ませてある情報の中から該当するものを取ってくるのがチャットボット。それに対してAI社員は、パソコンでできる作業だったら、いろいろ実行できる。

じゃあ、普通にChatGPTとかを仕事中に使って「これやっておいて」と投げるのとの違いはどんな感じですか?

赤堀 まず、機能を絞って社員に渡せるということですね。

例えばLINEで、「このAI社員にはこういう仕事をお願いしたらいいよ」という渡し方ができるので、全社員が使いやすい。

あと、普通のAIツールだと、みんなにアカウントを付与しないといけないから高くなったりする。このやり方だったら、1つのAIの仕組みをみんなで使えるので、コストが意外と安くなることもあります。

聞き手 なるほど。「AI社員の○○さん」みたいに、このAI社員にはこの業務を投げる、という感じで使うってことなんですね。

赤堀 そういう作り方をしたらいいですね。

会社規模に応じたAI社員の設計

聞き手 そうすると、みんなが使いやすいですよね。経理のところにAI社員がいる、みたいなイメージで合ってますか?

赤堀 これは会社によって設計が全部変わります。

正直、何でもできるAI社員をつくると、経営情報まで入れていた場合、スタッフが経営情報に触れられてしまうとか、社員の個人情報を見られてしまうといったリスクもあります。だから、会社で導入するのであれば「権限の整理」が絶対に必要なんです。

そこをクリアするという意味では、大きい会社であればあるほど、機能を制限したAI社員をたくさんつくっていくアプローチの方がいい。逆に、すごく小さい会社で、みんなで会社を経営しているような状態だったら、1体、何でもできるAIを置いておけばいいよね、という話になります。

あと、性能のいいAIを渡したときに一番最初に何が起こるかというと、使い方のイメージが分からないんですよね。「何でもできる」がゆえに分からない。

だから、

「このLINEでこういうことを言ったら、こういうものが返ってくるんだよ。これの裏側、AIなんだよ」

という方がイメージしやすいし、具体的に使いやすかったりします。

聞き手 確かに。会社全体でAIを導入しよう、育てていこうという会社も増えていると思うんですけど、社員さんに聞くと「これ、何ができるのかよく分からない」となって、結局「文章を作るくらいだったら使えるかな」みたいな最低ラインで止まってしまうことが多いと思うんです。

だから各業務で、「これはこのAI社員に投げればいい」と明確に分かると、すごく使いやすい。しかも社員全員にそれぞれAIのアカウントを付与するよりコストが抑えられるなら、みんな使ってくれるし、会社としても導入しやすそうですね。

赤堀 そうですね。それがAI社員の制作です。

「AI社員」と「AI顧問」の違い

赤堀 僕らが提供しているサービスの話で言うと、「AI顧問」を提供しているんですよね。

聞き手 なるほど。AI社員じゃなくて、AI顧問なんですね。

赤堀 そうです。

AI顧問というのは、まず「御社に必要なAIって何だろうね」というところから入ります。社員たちの生産性を上げたいのであれば、「こういうAI社員をつくっていきましょう」と。

月2回のセッションで、

「こういうのはどうですか?」

「こういうものを作りましたよ。どうですか?」

「こういうふうに使ったらいいですよ」

というように、どういうものを作るか、そして社内に浸透させていくためにはどうすればいいかを一緒に考えて、毎月進めていくようなスタンスです。

整理すると、AI顧問というのは、月2回のセッションを通じて社内へのAI導入を進めていくサービスです。

具体的な中身は、会社によってAI導入をどう進めていくかが変わります。ただ、大きく分けると2つあります。

1つは、AI社員をたくさん作って、会社の中の業務をAIにどんどん渡していくというアプローチ。

もう1つは、社長や社員を含めて、みんながAIを使えるようになるというアプローチです。最終的には、みんなが自分自身のAIを作っていったり、自分自身でAIを活用できるようにしていく。

というのも、AI社員って、実を言うとルーティン化された業務くらいしかできないんです。

同席者 ですよね。

赤堀 例えば、毎日ブログを投稿する。毎日報告書を上げる。経理処理をする。お客様への提案資料を作る。

こういう業務はどんどんできるんだけど、結局、新しい業務を作っていくようなクリエイティブな仕事は、自分自身がAIを使ってアイデアを加速させる形にしていかないといけない。

だから、AI社員をある程度作った後は、自分たち自身がAIを使えるようになっていく方が、会社としてのインパクトが大きくなっていくんですよ。

聞き手 なるほど。

赤堀 なので、みんながAIを使えるようにする。そのためのサポートをするというアプローチもあります。

AI社員が代替できる仕事・できない仕事

聞き手 勝手に新しい業務を作ってもらうわけにはいかないですもんね。でも会社の仕事って、ほとんどがルーティン化されたものというか、相手が違うだけでやることは同じ、みたいなものが多いんじゃないですか? そんなことない?

赤堀 ないよ。業務は常に変わっていくよ。

例えば、すべて型が決まっているような業務が多いのは、基本的にはちゃんと整備された会社だよね。スタートアップとか中小企業とか、これからどんどん大きくなっていく会社だったり、新人さんがどんどん入ってくるような拡大中の企業だったら、追いついていないところ、整備されていないところなんて無限にある。

主体的に仕事を作っていくことがマネージャーの仕事だったりもするから。

そう考えると、AI社員が置き換えられるのは、アルバイトや作業スタッフが担っているような仕事なんです。

同席者 なるほどですね。

赤堀 なので、マネジメント層や経営層の仕事、それこそ一番経営インパクトが大きいような「価値を作っていく仕事」というのは、ルーティン化されないんです。

聞き手 そういうことですね。

業務効率化より「売上を伸ばすAI活用」へ

赤堀 業務削減とか効率化みたいな、「無駄を減らす」というアプローチには、どれだけ頑張ってもいつか天井が来るんですよ。

例えば仕事が100個あって、その100個をAIに任せたとしても、「スタッフの時間を30%、50%削減できました」みたいな話になる。つまり、どれだけ頑張っても「何十%削減」というところにとどまるんですよ。

一方で、売上を上げるというアプローチだと、そこの壁がなくなる。例えば1億円の売上を、AIによって10倍にできましたというアプローチだったら、1億円が10億円になるので、9億円を生み出すことになる。

期待できる金額の桁が変わってくるんですよ。

だから、「会社をいかに成長させるか」「会社をどううまく回していくか」という視点で見ると、業務を削減することよりも、事業をどう大きくするかという考え方でAIを使う方が、インパクトは大きかったりします。

聞き手 なるほど。じゃあAI顧問の中で、AI社員というのがメインコンテンツというよりは、会社を大きくしていけるようなAIの使い方をするための前段階、みたいなイメージですか?

赤堀 そうなんです。

AI顧問というサービスを戦略的な話で説明すると、まず「AI顧問って何ができるの?」と言われても、そもそもイメージが湧かないんですよ。だから最初は、具体的でインパクトがあって、分かりやすいものを見せる。

「御社のその仕事、AIにさせられますよ」

「だからAI社員を作っていけばいいですよ」

「AI社員はこうやって作れるんですよ」

というアプローチをして、まず契約につなげていく。

契約してAI社員を作っていくと、人間がやることがどんどんなくなっていきます。そうなった後に、

「こうやって業務を削減できて、すごく得だったじゃないですか。さらに、もっといいAIの使い方があるんですよ」

という話になる。

それが、経営者や幹部のみんながAIを使えるようになることです。新規事業を作っていくとか、マネジメントをするとか、新しい打ち手を考えるとか。そうやって「仕事を作っていく」ところにAIを使っていく。つまり、みんながAIを使ってビジネスを回していける人材になる。

そのためのAI導入なので、

「御社に合ったAIは何なのか」

「何を導入するのか」

「組織で使うためのルールやガイドラインをどう設定するのか」

そういったことを一緒に考えていく。

そして、みんなが具体的にどうAIを使っていくのか、その導入を進めていきましょう、というふうにフェーズが変わっていく。

同席者 なるほど。

赤堀 というのが理想的な進み方です。

ただ、会社によっては最初から、

「自分や幹部がAIを使えるようになってほしい」

というパターンもある。逆に、

「そっちは全然イメージが湧かないから、まずAI社員をちょっと作っていきたい」

という感じで入る会社もあります。

なので、やっぱりAIをどう導入していくかを一緒に考えていくのがAI顧問です。中身としては、そんな感じで進んでいきます。

カンパニーブレインという構想

赤堀 そして最後の構想の話なんだけど、僕は「カンパニーブレインを作る」というところが面白いなと思っています。

AIと一緒に仕事をしていくと、会社の仕事の仕方がどんどんデータとして残っていきます。具体的な業務のやり方はAI社員を通じて残っていくし、社員のみんながAIを使っていくと、その人なりの判断基準や価値観みたいな、今まで可視化できなかった、言語化できなかったようなものも残っていく。

みんなの意思や文化、判断基準、会社がやってきた歴史のログ。そして仕事のあり方や、具体的なやり方。そういったものが残っていく。

それを全部AIが覚えて、再現できるようになったら、その会社自体をAIによって残していけると思うんですよ。さらに、そのAIによって会社経営ができたり、会社の生産性や文化、価値みたいなものを、ずっとAIによって残していけるかもしれない。

普通、人間だけだったら、会社を100年とか数百年残していくのが限界かもしれない。でもAIだったら、数千年みたいな単位で残していけるんじゃないかなと。

聞き手 なるほど。AIがあり続ける限り、会社も残していけるぞと。

赤堀 というロマンもあります。

今後AIはさらにどんどん頭が良くなっていくから、もしかしたら、人間が会社を経営するよりもAIの方が上手に会社を経営していく時代も来るかもしれない。そういったAI時代のための準備が必要で、その準備というのは「データ」なんだよね。

だから、AI時代のための準備としてカンパニーブレインを作っておく。来たる時代に、そのブレインをAIに渡していける状態を作る。それによって、何千年先にも自分の会社を残していくことができるかもしれない。

だから、そこにつながる「カンパニーブレイン」を最終的に作れたら、面白いんじゃないかなと思っています。

AI顧問の3つのフェーズ

聞き手 なるほど、面白いです。じゃあAI顧問って、すごく大きく分けると3段階あるような感じですかね。

まず導入として、AI社員を作って、手放せる業務を手放していくフェーズ。そこから経営者層がAIを使えるようになって、AIを使うことで会社全体のグロースを促進する。その先には、代々、先々まで残していける会社の頭脳、カンパニーブレインをAIで作る。

なんなら将来的にはAIに経営してもらって、みんなで「イェーイ」って楽しく過ごす、みたいな未来も想像しながら。そこまでがAI顧問の幅、みたいな感じですか?

赤堀 なんかね、ロマンがあって面白いよね。

聞き手 ちょっと話がずれるかもしれないんですけど、そうなると起業したくなるというか。1個会社を自分で持っておいて、そこに自分の考え方とかをAIに叩き込んで、自分のカンパニーブレインを作っておく。そうしたら、いつか自分より頭のいいAIが勝手に経営してくれる時代が来るかもしれない。

それってロマンもあるし、先行投資としてすごくいいのかなって、今聞いていたらそんな気持ちになったんですけど。

赤堀 そうなるかもしれないし、いいと思う。

本当に価値のある考えや文化、その人の思いだったり、作品だったりみたいなものは、いつかAIによって昇華させられるかもしれないから。そういう意味でも、やってみるのはいいと思う。

中小企業こそ、AI導入で業務整理が進む

聞き手 対象となる会社さんって、もちろん大企業もいいだろうけど、中小企業にも結構いいんじゃないですか?

まだ会社の中がまとまっていないというか、業務フローみたいなものもちゃんとできていなくて、「まず自分たちがどんな会社で、どんな業務を抱えているのか」というところから紐解いていきたいような会社さんには、結構おすすめなのかなと。

赤堀 それはすごくお得だよ。AIを導入しようとすると、会社の業務整理からすることになるから。

聞き手 そうですよね。何をAIに任せるかを決める段階で。

赤堀 そう。

だから、まだカチッと整っていない、カオスな状態の会社でこれを始めると、業務がどんどん整理されていくんですよ。今まで「仕事が大変だ」となっていたところから、

「自分はこれと、これと、これの業務をすればいいんだ」

と整理されていく。しかも、その中から、

「この2つの業務はAIに渡せるんだ」

となる。AIに渡せない仕事についても、

「これは人を育てて任せていけばいいな」

みたいに整理できる。結果的に、経営者が経営に集中できる環境づくりにもつながります。

同席者 なるほど。

赤堀 マチモリ不動産とか、まさにそのパターン。

聞き手 不動産屋さん。なるほどね。会社の中がごちゃごちゃしていて、

「誰か整理して、より良い状態にしてくれ」

「もっと会社が成長できるように、うちの会社を整えてくれ」

みたいな人には特にいいと。

赤堀 すごくお得だと思う。コンサルが入ったときに起こるようなことも、一緒に起こるからお得だよね。

「1000年先も繁盛する会社」を残す

赤堀 そんな感じのサービスをやっているので、今のうちの会社のビジョンの話をすると、まず「会社としてどういう未来を作りたいか」という話で言うと、「1000年先も繁盛する会社を残していく」みたいなところを考えています。

聞き手 かっこいい。

赤堀 それを生み出すために、今必要なフェーズは、みんなが「AI Ready」になること。つまり、AI時代の準備ができている状態です。

具体的には、カンパニーブレインを残していけるようにデータを整理して、AIに渡せる状態を作っていく。なので、今の会社のミッションは、

「すべての会社をAI Readyへ」

にしています。

今後、本当にAIが経営して、それによって企業が競争していくような世界になっていくんだったら、そのときにはまたミッションが変わるかもしれない。例えば、「AI社員を1000名導入する」とか、「カンパニーブレインをAIに移行していく」とか。

でも、今の時代、今のフェーズでやるべきことは、まず会社を「AI Readyな状態」にしていくことだろうなと。そう考えて、今の会社のあり方や、目指す先を設定しました。

聞き手 なるほど。すごい。すごく夢があるというか、ワクワクするようなビジョンですね。とても素敵です。

フィジカルAIとロボット事業

赤堀 さらに今の話で言うと、今まではパソコンでできる仕事の範囲でしか考えていなかったんだけど、「フィジカルAI」といって、ロボットの開発もめちゃくちゃ進んでいるんだよね。

聞き手 フィジカルAIっていって、ロボットとかの開発が進んでいると。

赤堀 そう。つまり今後は、物理的な仕事のやり方もロボットに教え込ませれば、できるようになる可能性はめちゃくちゃ高い。

聞き手 手作業とかも?

赤堀 そう。

分かりやすいところだと、引っ越しとか、点検とか、洗い物とかもそうかもしれない。そういったものをAIに任せられる時代は来ると思うんだよね。自動運転とかもそうだし。

そして、それも結局「データ」なんだよね。

聞き手 データ。

赤堀 そう。

いかにデータで学習させて、自社の業務をAIで再現できるようにするか。それに関しても、結局データなんですよ。そういう意味でも、データを準備して整理していくことは、次の時代への打ち手として、すごく優先度が高いはず。

だから弊社としては、ロボット事業もそのうちやりたいよね、と思っています。

聞き手 ロボット事業。

赤堀 うん。今、人型ロボットって結構買えるんですよ。車くらいの値段で。

聞き手 そうなんだ。意外。

赤堀 それに、自社の仕事のやり方のデータみたいなものを学習させて、ロボットを動かす。だから、データを整理して、ロボットにそのデータをインストールする。それで、その会社の仕事を担える「物理的なAI社員」みたいなものができたらいいなって。

聞き手 へえ、なるほど。じゃあ例えば、内見に一緒に行ってくれたりとか。点検とか。

赤堀 点検なんかは、そうだよね。

聞き手 ロボットにまで意識がいっていると。でもそうなったら、だいぶ近未来というか、ドラえもんの世界みたいな、ワクワクするイケてる世界が待っているのかもしれないですね。

赤堀 そうだね。やっぱり、ワクワクする未来を作れる仕事だと思うから、楽しいなと思ってるよ。

同席者 なるほどね。

赤堀 というのが、AI顧問というサービスの全体像です。

AI顧問の商談はどう進めるのか

聞き手 ありがとうございます。じゃあ、もう少し具体的に、お客さんにどういうふうに提案していくのか。どういうふうにヒアリングして、課題を見つけて、そこに対してどういう提案をしていくのか。

もちろん会社さんによって違うとは思うんですけど、一応、流れとかポイントみたいなものを教えてもらえたらと思います。これは「商談」についてですね。

赤堀 いいね。じゃあ、本当のスタートからいこうかな。

だいたいのスタートって、

「AIって何ができるの?」

「うちの会社だったらどういうふうに使えるかな?」

「他の会社ってどういうことをやってるの?」

みたいな興味から始まるんですよ。だから、そのときに一番楽なのは、「こんな感じですよ」って、AI社員をそのまま見せること。

同席者 はいはいはい。

赤堀 例えばうちの会社だったら、DiscordとかLINEにレシートを入れるだけで、経費申請される。そうすると、「それいいな」って結構なるのよ。

これは別に、データがあって、業務のやり方さえ分かっていれば、いろんな業務でできる。

例えば、このLINEに仕事の様子の写真を何枚か送るだけでInstagramの投稿ができて、承認したらそのまま投稿される。となると、結構便利そうじゃないですか。しかもLINEで。

このLINEに他の社員を入れるだけで、その社員も同じように使える。もしその社員が退職したとしても、LINEから外すだけでいい。だから、最初の導入としては非常に分かりやすいよね。

まずは、そうやって興味を持っていただく。最初からゴリゴリ営業する必要はないと思っていて、相手の期待感を膨らませたり、自分への信頼を高めたりしていく。

「こんなことも多分できますよ」

「他の会社では、こういうことをやっていますよ」

みたいに、どんどん情報を渡して、相手の中にイメージを作っていく。

まず、相手の興味・関心がどこにあるのかを理解する。そして、相手がワクワクするような情報や、実際に今自分たちがやっていることをしっかり見せて、誠実に信頼関係を作っていく。それが最初。

そうすると次に、

「じゃあ、ちょっと実際に話を聞いてみたい」

となっていきます。そうなったタイミングで、基本的に僕はその人の会社へ行くようにしています。

オンラインミーティングでももちろんいいし、すごく遠方だったらオンラインでしょうがない。でも、行けるんだったら行くという感じです。その方がまず信頼関係を作りやすいし、現場を見た方が情報量が圧倒的に多い。

同席者 間違いない。

「自社がどう変わるか」を具体的に見せる

赤堀 具体的な仕事を見せてもらった上で提案します。

例えば、手書きで注文表を作っているんだったら、

「今後は、その注文表を起点にして、写真を撮ってLINEに送るだけで、見積書を作ったり、見積書を送付するメールの下書きを作ったり、受注に関する一連の流れをAI社員に任せて進められるようになりますよ」

みたいな。そういう提案をしていって、どんどん自社がどう変わるのかイメージできる提案をしていく。

同席者 なるほど。

赤堀 ここが刺されば、もうこれだけでほぼ受注につながるはずです。商談の進め方としては、ほぼそれ。

具体的に「それをやりたい」となってからは、あとはもう決まった流れです。

「弊社はAI顧問というサービスをやっています。月2回のセッションを行う、月額制のサービスです」

と。今みたいに御社に訪問したり、オンラインミーティングで擦り合わせたりしながら、

「まず御社では、このAI社員を作っていきましょう」

というように、さっき話した「AI顧問で何をやるのか」を説明する。

「こういうふうにAI社員を作っていくので、まずこれを作って、実際に見てもらいながら進めていきましょう」

という感じです。

契約期間と、事例への協力

赤堀 例えば最初の2ヶ月で、さっき言った「受注の流れを全部AIに任せられる状態」を作っていきましょうか、という説明をバーッとやる。それで、

「よろしくお願いします」

「OKです」

となる。

今で言うなら、会社として事例が欲しいので、御社でやっていることや、作ったAI社員がどれくらい効果を発揮したのか、実際に御社を事例としてメディアなどに出していきたい、ということを了承してもらうこともあります。

同席者 なるほど。

聞き手 月2回やっていって、期間としてはだいたいどれくらいですか?

赤堀 最低期間は決めているけど、正直ずっと提案ベースで進んでいくから、契約期間ってあってないようなものなんですよね。

同席者 なるほど、なるほど。

赤堀 例えば、AI社員が1ヶ月でできたら、

「じゃあ来月は、このAI社員を作りましょうか」

となる。それをずっと続けていく感じ。

聞き手 会社さん側が「もう大丈夫です」となるまでは、最低期間を超えた後も、どんどん提案しながら続けていくような感じってことですよね。

赤堀 そうですね。

聞き手 ベースはできるかもしれないけど、カンパニーブレインまで考えたら、まだまだずっと先ですもんね。

赤堀 AI社員を最初の2ヶ月くらいでガッツリ作っちゃって、そのあと社員さんに導入して、自分でもAIを使って仕事ができるようになる。そういう理想的なロードを歩む形ですね。

聞き手 確かに。社内の業務をどれくらい把握できているかとか、会社のことがどれくらい細かく整理・仕分けされているかにもよりそうですね。

じゃあ、商談して、最後に「契約したいです」という話になった後は、どんな感じなんですか?

編集注:現在のAI顧問は、初月10万円(税別)、2か月目以降は月30万円〜(税別・社員同席込み)、定例は月2回、最低3か月、自動更新なしです。最低期間・金額・更新条件は AI顧問の費用 の記載が現行です。

契約後にやること

赤堀 「電子契約を送りますね」と言って、契約書を送付して、サインしてもらうだけ。

あとは、

「やりたいです」

「OK、やりましょう」

「じゃあ次のセッションの日程を調整しましょう」

という感じ。日程調整と契約書の送付。

そして、次のセッションまでに、

「これからこういうことをしていくといいかもしれないですね」

というものを考えておく。

聞き手 アジェンダみたいな?

赤堀 そう。これだけだね。

聞き手 作っておくって感じ。

赤堀 あとは顧客コミュニケーションだから。相手の要望とか、やりたいこと、ワクワクすることを押さえた上で、ネクストアクションをどんどん提案していくだけ。

AI顧問に必要なのは「ビジネス総合力」

聞き手 実際、この仕事ってすごくコミュニケーション能力が大事っていうか、ほぼそれみたいな感じですね。

赤堀 ビジネス総合力がすべて。

聞き手 ビジネス総合力。

赤堀 相手に信頼してもらう。相手が何をしたいのかを、しっかりキャッチアップする。

それができれば、あとは、

「○○さん、こうでしたよ」

と社内で相談すれば、

「じゃあ、こうしよう」

となるから。結局、どれだけお客さんのことを知れるかなんですよね。

同席者 なるほどね。

赤堀 そこに尽きると思います。

お客さんから引き出せる情報量は、やっぱり自分のレベルがどれだけ高いかによって変わる。ただ、最初のうちは会社の看板を使いながら、どうにか情報を聞き出していけばいいんじゃないかな。

お客さんを見つけるコツ

聞き手 ちなみに、お客さんを見つけるコツみたいなのってあります?

赤堀 これは、自分が何者なのかを最初に分かるようにしておくことが大事なんだよね。

「AI顧問をやっています」とか、今だったら「AI社員を作っている人です」と言うと、なんとなく興味を持ってくれる人が結構いる。まずはそんな感じです。

聞き手 興味を持ってもらう。

赤堀 そう。まず、人に知られる場所にいることだよね。

経営者交流会に行くとか、コミュニティに入るとか。それこそ知り合いが多い人と仲良くなるのもそうだし、あとは発信していくとか、展示会に出展するとか。そういう感じで、まず「自分が何者なのか」を伝えて、コミュニケーションのきっかけを作っていく。

コミュニケーションのきっかけができた後は、もういかに信頼してもらえるか。これに尽きる。

「こういう仕事を今してるんです」みたいに、自分のことはそんなに喋らなくていいよね。基本的には相手のことを聞いて、相手が興味・関心を持っていそうなことを返していく。営業としてやることは、突き詰めたらこれだと思う。

あとは、どれだけ自分のレベルを上げていくか。

聞き手 ビジネス総合力を上げていくんだ。ビジネス総合力って?

ビジネス総合力は「経験値」

赤堀 経験値がすべてだろうね。

物事を構造的に捉えられるようになると、視野や視座が広がっていく。だから、そればっかりは仕事をしながら経験を積んでいくしかないんだと思う。

相手よりも明らかにこっちの方がビジネスの総合力が高い、という状態になると、すごく有利になる。向こうから、

「こういうときって、どうしたらいいですかね?」

と聞いてきたりするようになるから。そうすると、「この人が言ったことは信頼に値する」というポジションで話せるようになる。

聞き手 なるほどね。じゃあ、AI自体はこれまであまり扱っていなかったとしても、ビジネスにどっぷり携わってきたというか、「バリバリ働いてきたぞ」という人は、めちゃくちゃ有利だと。

赤堀 だよね。AIってそういうもんだし。

聞き手 そうだよね。「掛け算」ってよく言いますもんね。

赤堀 そうですね。

AI顧問の仕事の本質

赤堀 本当に最初に戻るけれども、やっていることは、

「お客さんが本当に欲しいものを提供する」

ということ。

そのためには、まず信頼関係を作る。そして、相手が何を求めているのかを理解して、それを提供できるようにする。結局、そこに戻るよっていう感じです。

同席者 うん。

聞き手 ありがとうございました。

この記事について

約50分のインタビューを、内容を落とさずに記事へ起こしたものです。内容のないあいづちと言い直しだけを整理し、発言の順序と章立ては収録時のままにしています。

ひとつだけ、公開にあたって扱いを変えた箇所があります。取材中に話した顧問料の具体額、初回のお試し価格、事例へ協力いただく場合の値引き幅は、本記事には載せていません。現在の金額・最低期間・更新条件は AI顧問の費用 をご覧ください。

AI顧問について詳しくは AI顧問とは、カンパニーブレインについては カンパニーブレインとは、AI社員の作り方は AI社員とは|チャットの相手ではなく、職場を持った働き手 で書いています。

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