Scion(サイオン)とは、Anthropic(Claudeを作っている会社)が、社内の大きなコードの保管庫を管理するために自前で作った仕組み(バージョン管理システム)です。2026年10月13日(米国時間)に公式ブログで公開され、「AnthropicがGitをやめた」と話題になりました。ただ、Gitから移したのは社内の大きなリポジトリ(会社のコードを1か所にまとめた保管庫)で、公式ブログは「一般の用途でGitの代わりになるものでは決してない」と書いています。GitHubをやめたとも書いていません。GitやGitHubを使い始めた会社が、このニュースを理由にやめる必要はありません。持ち帰るべきなのは別のことです。AIでコードや資料を直す量が増えると、人が1行ずつ確かめるやり方は回らなくなります。公式ブログには、Scionを作ったチームでは、人がすべての変更を確かめつつ、1行ずつ読むのではなく「何のための変更か」を確かめるようになった、と書かれています。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。

この記事は、YouTube「AI顧問の現場録」で、GitとGitHubを腹落ちしていなかった私(赤堀)が、AiWiLL CTOの所に図書館のたとえで教わった回の記録です。2026年10月15日、熱海の起雲閣で、部屋を借りられる残り15分で撮りました。撮影日時点の内容で、発言の中で事実と違っていたところは、公式の発表に沿って直しています。

この記事の結論

  • Gitは、ファイルの変更を記録する仕組みです。GitHubは、Gitで記録したコードや資料をクラウドに預けて、チームで共有する場所です。2つは別のものです。
  • GitHubは図書館に似ています。本(ファイル)を手元に借りて書き換え、誰かが確かめてOKなら棚に戻します。
  • AIで直す人が増えると、確かめる人が追いつきません。Anthropicでは、コードの取り込みが2026年5月の1日約2,500件から、9月には1日3万件を超えました。
  • Scionは、この量に合わせて作り直した社内の仕組みです。公式ブログは、ほかの会社に広く役立つ形で出すのは難しいと書いています。GitHubをやめた話ではありません。
  • 自分の会社でまず変えるのは、道具ではなく確かめ方です。細かい粗探しは別のAIに任せ、人は「何のために変えたか」を確かめます。
  • 最初の一歩は、AIに「このフォルダの変更履歴を、Gitで残して」と頼んでみることです。

動画で見たい方は、YouTube「AI顧問の現場録」の回をどうぞ:Anthropicの「Scion」とは?GitとGitHubの違いから、CTOが図書館にたとえて社長に解説(2026年10月15日の収録)

「Gitをやめた」と聞いて、腹落ちしていなかった

その日最後の収録で、聞き手から「最近のAIのニュースで、気になるのはありました?」と聞かれ、私はすぐに「AnthropicがGitをやめた」というニュースを挙げました。

私はずっとビジネスの側で仕事をしてきました。AIを使うようになってから、Gitで会社のコンテキスト(AIに渡しておく前提の情報)を管理し、GitHubに保存して、チームのメンバーと共有する流れを使っています。使っているので、なんとなくは分かります。でも、腹落ちまではしていませんでした。

その状態で、「Anthropicはやめた。なぜならば」というニュースが出てきました。エンジニアの方にとって、Gitは当たり前の文化です。そこで所に、前提のGitとGitHubから教えてほしいと頼みました。

AIに作業を頼んでいると、「変更をコミットしますか」「GitHubにプッシュしますか」と聞かれることがあります。言葉は知っているけれど腹落ちしていない、という社長の方は、私のほかにも多いのではないかと思います。

GitとGitHubは、別のもの

所が最初に言ったのは、GitとGitHubはそれぞれ違うもの、ということでした。

図解

Git

ファイルの変更を記録する仕組み。いつ、何を、どう変えたかが残る

自分のパソコンの中でも動く

GitHub

Gitで記録したコードや資料をクラウドに預けて、チームで共有する場所

変更を確かめてから取り込む仕組みもある

GitとGitHubの違い

GitHubの公式ドキュメントでも、Gitは「ファイルの変更を記録するバージョン管理の仕組み」、GitHubは「Gitのプロジェクト(リポジトリ)をクラウドに置き、その上にチームで進めるための道具を足したもの」と説明されています(GitHub Docs「What is GitHub?」)。

今回は、Gitより、GitHubの方から話を進めてもらいました。所に「GitHubって、どんなイメージあります?」と聞かれて、私はこう答えています。

コードをクラウドに保存してくれる場所。真ん中に「正」となるコードがあって、みんながそれを手元に写し(クローンし)、自分で直して、また戻す。誰かが承認したら、それが正に入る。

所の答えは「おおむね、その通り」でした。

GitHubは図書館。借りて、直して、承認されたら返す

所は、GitHubを図書館にたとえました。簡単に言うと、保管庫です。

図書館には、いろいろな本があります。本の中に間違いが見つかると、第何版、第何版と、だんだん書き換えていきます。GitHubも同じで、本を自分の手元に持ってきて書き換え、誰かに見せて、承認OKとなったら、もう一度棚に戻します。

図解

  1. 本棚

    GitHub。みんなのコードや資料の保管庫

  2. 借りる

    自分の手元に写してくる(クローン)

  3. 書き換える

    手元で直して、変更を確定する(コミット)

  4. 返す

    保管庫へ上げ(プッシュ)、承認されたら本棚に戻る

GitHubを図書館でたとえると

言葉も2つ教わりました。コミットは、自分の手元で変更を確定させること。プッシュは、確定した変更を保管庫(GitHub)へ上げることです。AIに「コミットしますか」と聞かれたら、手元で変更を確定してよいか、という意味です。

私は「パソコンの処理で言うと、GitHubのデータをダウンロードして、直して、アップロードしているってことですよね。ファイルが1ギガなら、1ギガ落として1ギガ上げる?」と聞きました。所の答えは「単純に言うとそう。細かく言うと、直した所だけを上げる仕組みもある」でした。

ここは補足します。Gitの公式ドキュメントでは、プッシュは「相手(保管庫)にまだ無いデータを送る」と説明されています(git-push)。毎回1ギガを上げ直すわけではありません。重いのは、最初に借りる(クローンする)ときです。Gitは、手元に保管庫の写しを丸ごと持つ前提で作られています。この点は、後でScionの話につながります。

司書が1人では、確認が追いつかない

所は、この流れの弱いところを、図書館の司書で説明しました。

図書館の管理をしている人が1人いて、「Aの本を貸し出します」「Bの本を貸し出します」を、ずっと1人でやっている。本が10冊なら回ります。でも1万冊、2万冊になって、そのたびに「ここを変えました」「ほう」と見て承認するとなると、あまりにも時間がかかりすぎます。

図解

10冊

1人で、貸し出しと確認ができる

1万冊・2万冊

見て承認するだけで、時間がかかりすぎる

AIで直す人が増える

変更の量に、人の確認が追いつかない

本が増えると、司書1人では追いつかない

私は、人間が手で直していた頃は、人が見る量はたかが知れていた、と話しました。AIでみんなが直すようになったら、見切れません。所は「仮に見切れたとしても、毎回、入力と出てくる出力を見続けないといけない。それだけで、システムにも負荷がかかる」と続けました。借りるたび、返すたびにデータのやり取りが走り、メモリもストレージも使います。GitHubも、中で動いているのはサーバーです。

これは大げさな話ではありません。Anthropicの公式ブログによると、Anthropicでは2026年5月に1日平均約2,500件だったコードの取り込み(マージ)が、9月には1日3万件を超えました。30,000 ÷ 2,500 で、4か月で12倍です。

仮に、1件を人が5分で確かめるとします(5分は私の仮の値です)。30,000件 × 5分 = 150,000分 = 2,500時間です。1人が1日8時間を確認だけに使っても、約310人分になります。人が1行ずつ読むやり方が成り立たないのは、計算からも分かります。

Scionとは:Gitの前提を変えた、自前のコード管理

そこで出てきたのがScionです。所は「簡単に言うと、Anthropicが自前のGitになるものを作った、という話」と説明しました。

収録では「GitHubをやめた」とも話しましたが、正確には違います。Anthropicの公式ブログ(Redesigning source control at Anthropic、2026年10月13日公開、15日更新)に書かれているのは、社内の大きなリポジトリ(モノレポ)の管理を、Gitから自前のScionへ移したことです。移し終えるまでに5か月かかっています。GitHubをやめたとは書かれていません。

公式ブログが挙げている理由は、Gitの前提と、Anthropicの使い方が合わなくなったことです。

図解

Gitの前提

手元はネットにつながっていなくても動き、保管庫の写しを丸ごと持つ

Anthropicの使い方

使い手のほとんどが、常にネットにつながっているAIエージェントと自動テスト(CI)

Scionの考え方

写しを丸ごと持たず、要るデータをその都度取りにいく。重い処理はサーバー側でまとめて行う

Gitの前提と、Anthropicの使い方

規模も書かれています。メインの履歴だけで約100GB、作業用の写しは圧縮しても25GB超。自動テストのためのコードの取り出しは、1日に約2,500万回です。これまでは社内にGitの写し(ミラー)を、多いときで数百も並べてしのいでいましたが、取り込みの量が増えるほど運用が難しくなりました。Scionに移ってから、設備の規模は前のGitのミラーの仕組みの200分の1になり、自動テストや研究の作業でのコードの取り出しは2桁速く、分単位だったものが秒単位になったそうです。

公式ブログは、冒頭で「Anthropicでは、コードを書くことはもうボトルネックではない」と書いています。ボトルネックになったのは、コードの管理、組み立て、自動テストといった、人の規模に合わせて作られてきた開発の仕組みのほうです。

確認にAIをかませる、という見方

所が読んで「やっぱりAI時代だな」と感じたのは、確認にAIをかませているところでした。司書がチェックしていた部分を、AIにしている。所のたとえでは、人は修正した箇所だけでなく1ページずつ一生懸命見ていたけれど、AIは必要な箇所だけを理解して見る。100ページあったら、いつも100ページ見ていたものが、3ページ見ればよくなる。チェックも早くなる。

「100ページが3ページ」は所のたとえです。公式ブログに書かれている確かめ方の変化は、次の3つです。

図解

人の確認

Scionを作ったチームでは、人が今もすべての変更の依頼を確かめる。ただし1行ずつ読むのではなく、変更の意図を確かめる

粗探しのレビュー

粗を探す立場からのレビュー(敵対的なレビュー)を広く使う。視野が狭くなることもあり、作り込みすぎないようエンジニアが舵を取った

自動テスト

取り込みを1件ずつ順番待ちさせる仕組みは、AIの規模では合わない。取り込んだ後と、本番に出す前の自動テストに力を入れた

公式ブログに書かれている、確かめ方の変化

公式ブログは、粗探しのレビューを誰がしているか(AIか人か)までは書いていません。Claudeが作ったものを確かめる場面の話として出てきますが、「確認を全部AIにした」と言い切れる書き方ではありません。「AIをかませた」は、記事を読んだ所の受け取り方です。それでも、「人が1行ずつ読む」から「人は意図を確かめ、細かいところは別の仕組みで確かめる」へ変えた、という大筋は同じです。

図解

これまで

変更を人が1行ずつ読む。量が増えると追いつかない

これから

細かい粗探しはレビューと自動テストで。人は「何のための変更か」を確かめる

確認のしかたが変わる

「見落としは?」に、所はどう答えたか

ここで聞き手が、いい質問をしました。100ページを3ページでいいとなったら、逆に見落としは出ないのか。

所の答えは、「それもAIの方で処理しているはず」でした。上にいるAIが指示を出し、確認役のAIたちが、本当に関連する場所はそこだけかを何重にもチェックする。こうした、指揮役のAIが複数のAIに仕事を割り振ってまとめるやり方を、オーケストレーションと呼びます。

これは所の推測で、Scionの中の仕組みを公式ブログで確かめたものではありません。公式ブログで近いのは、見張りの話です。部品ひとつの調子だけを見続ける役のClaudeを置いていて、社内では「superfan(熱狂的なファン)」と呼んでいるそうです。計測データやログを見られて、グラフを更新して眺めるほかにすることがないベテランのエンジニアのように動く、と書かれています。

一方で、正直な話も書かれています。粗探しのレビューは視野が狭くなることがあり、熟練のエンジニアが、Claudeが作り込みすぎないよう舵を取る必要があった。エンジニアの役目は、Claudeに「それは違う」と言うことだった場面がとても多かった。

AIに作らせても、AIにレビューさせても、人の仕事は消えていません。変わったのは、人が見る場所です。

私の会社の規模でも、同じ考え方でやっています。作らせたAIとは別のAIにレビューさせ、最後は人が実物を見る。そのやり方と、効く条件はChatGPT・Claude・Geminiを社内で比べる前に|作らせたAIと別のAIにレビューさせる方が効きましたに書きました。

なぜGitHubを直さず、自前で作ったのか

私には、ずっと疑問がありました。なぜGitHubでそれができなかったのか。

話を聞いていて、1つのファイル(本)の中の、この1行とここだけを変えた。だからこの1行だけをやり取りすればいい、というのがScionなのかな、と分かり始めていました。それなら、GitHubをちょっと変えればできるのではないか。

所も、それは考えたそうです。所の見立ては2つでした。1つは、GitHubそのもののプログラムは、オープンソース(中身が公開されていて、誰でも直せる形)で出ているわけではないこと。もう1つは、今ある仕組みを途中からAI化するより、1から作った方が早い、ということです。

既存のシステムには、いろいろな条件が入っています。そこにAIを足すのは、けっこう難しい。だったら一度きれいにして、設計書どおりにAIで作り上げた方が早く、3日で終わったりもする。設計の考え方が分かっていれば、どこを削れるかも分かる。それを社内でやった方が絶対に早い、という見立てです。

図解

所の見立て

今ある仕組みにAIを足すより、設計書どおりにAIで1から作る方が早い

公式ブログ(理由)

Gitは手元に写しを丸ごと持つ前提。常にネットにつながるAIエージェントが使い手の大半になり、前提が合わなくなった

公式ブログ(進め方)

移し終えるまで5か月。途中でClaudeに取り込みの仕組みを丸ごと書き直させたら、メモリは20分の1、速さは4倍になった

所の見立てと、公式ブログに書かれていること

「3日で終わる」は所の一般的な見立てで、Scionは移し終えるまでに5か月かかっています。それでも、AIで作り直すという方向は、公式ブログにも出てきます。GitからScionへデータを取り込む仕組みを、Claudeに「全部書き直して」と頼んだところ、それ以上の指示なしに、メモリの使用量が20分の1、速さが4倍のものができてきたそうです。

Scionは、ほかの会社にも出てくるのか

聞き手からは、「社内で使っているその仕組み自体を、提供することもあるんですか?」という質問も出ました。

所は、今後出てくるのではないか、オープンソースで出すか、Claudeの中に入ってくるか、と答えました。私が「チームプランとか」と言うと、所は「エンタープライズ向けとか」と続けています。

ここは、公式ブログの書き方と違います。公式ブログは、Scionをほかの組織に広く役立つ形で出すのは難しいと書き、一般の用途でGitの代わりになるものでは決してない、とも書いています。そのうえで、GitHubやGitLab、オープンソースの人たちと組んで、AIエージェントが増えたあとの開発の変化に応えていく、という方向を示しています。

GitHubとの関係でいえば、Anthropicの製品も、今はGitHubを前提にしています。次の節で触れるClaude Codeのプロジェクト機能は、コードを扱うなら、そのコードをgithub.comに置いていることが条件です(Claude Codeの公式ドキュメント)。

次は、チームで同じ文脈を使う仕組み

私が一番気になっているのは、チームの話です。

今、チームで同じコンテキストを共有するには、GitHubを経由するか、プロジェクトという機能にファイルを入れて同じチャットを共有するか、くらいしか手段がありません。チームで同じ文脈を使うところに、ボトルネックがあります。私が「Anthropicの動きは、その布石の可能性が高そう」と言うと、所も「高そうですね」と答えました。

所が挙げたのが、Anthropicから出てきたプロジェクト機能です。チャットのClaudeには前からありましたが、Claude Codeにも入りました。所によると、1つのプロジェクトの中でいろいろな作業ができ、そこでオーケストレーションもできるので、仕事を仕組みにできる。それができるなら、どこかに保存する機能もどんどん付いていくだろう、という見立てです。

私は、Claude Codeの自前のサービスの中で、クラウドのコンピューターに作業させ、どこからでもアクセスできる形が、この先は、チームでクラウドの作業を共有して誰かが続きを作業する形になっていくと思う、と話しました。

ここは日付と範囲を補足します。収録では「3、4日前に出た」と話していますが、Claudeの公式ブログによると、新しいプロジェクトは2026年9月17日に、ProとMaxの一部の利用者向けにベータで始まりました(Projects redesigned)。2026年10月17日に確かめたClaude Codeの公式ドキュメントでは、次のように書かれています。

図解

何ができる

1つの会話でClaudeが指揮役になり、作業ごとにクラウドの作業(スレッド)を立てて並べて進める

スマホから様子を見て指示でき、パソコンを閉じても続く

どこで使える

ブラウザ(claude.ai/code)、デスクトップアプリ、スマホのClaudeアプリ

ターミナル版・VS Code拡張では使えない

どのプラン

ProとMaxで順に広げているベータ

TeamとEnterpriseではまだ使えない

チームで共有

プロジェクトは1人のもの

ほかの人と共有はできない

Claude Codeのプロジェクト(2026年10月17日に公式ドキュメントで確認)

クラウドで作業させ、どこからでも様子を見られるところまでは、もうできています。チームでプロジェクトを共有する機能は、まだありません。「チームでAIの作業と文脈を共有する仕組みがClaudeの側に入ってくる」というのは、撮影日時点での私たち2人の予想です。

この話が当てはまらない場合と、先に決めること

このニュースを自分の会社に当てはめるときに、気をつけたいことです。動画では話していない補足も含みます。

  • 自前で仕組みを作る話ではない:1日3万件の取り込み、約100GBの履歴、1日約2,500万回の取り出しという規模の話です。公式ブログも、一般の用途でGitの代わりになるものではないと書いています。普通の会社が、自前のコード管理を作る理由にはなりません。
  • GitHubをやめる理由にもならない:Claude Codeのプロジェクト機能も、コードを扱うならgithub.comが前提です。これから会社の資料やルールをAIと育てるなら、GitとGitHubは入口になります。
  • AIのレビューを入れても、人の確認は消えない:Anthropicでも、人はすべての変更の意図を確かめ、AIの作り込みすぎを止めています。「AIが見たから大丈夫」にはしないでください。
  • チームでの共有は、今のプランで確かめる:プロジェクト機能は、撮影日時点でTeamとEnterpriseでは使えず、1人のものです。チームでAIの文脈を共有するなら、今はGitHubなどの置き場で組むのが現実的です。
  • 保管庫に入れてよいものを先に決める:GitHubに会社の資料を置くなら、非公開のリポジトリにし、秘密の情報(パスワードや、お客さまの個人情報など)は入れない、と決めてから始めてください。

持ち帰り:AIに「変更履歴をGitで残して」と頼む

最初の一歩は、Gitのコマンドを覚えることではありません。AIに頼むことです。AIに作業させているフォルダで、こう頼んでみてください。

再現イメージ

私

このフォルダの変更履歴を、Gitで残して

AI

このフォルダでGitを使えるようにして、今の状態を最初の記録として残しました。

私

今日、何をいつ変えたか、一覧で見せて。それぞれ、なぜ変えたかも1行で

AI

今日の変更を、いつ・何を・なぜ、の一覧にしてお見せします。

AIに変更履歴を残してもらう頼み方(収録にない例です。AIの返事は例で、実際の文面ではありません)

1か月たったら、次の3つを確かめます。

  • 「先月、何をいつ変えたか」を、AIに聞いて一覧で出せるか。
  • 間違えて直したとき、1つ前の状態に戻せるか。
  • 変更ごとに「なぜ変えたか」が1行で残っているか。人が確かめるのは、この「意図」です。

自分1人で回るようになったら、次はチームです。会社のルールや資料をGitHubに置き、メンバー全員のAIが同じものを読んで働く形は、Claude Code/Codexのコンテキストを社内で共有する方法に、私の会社で実際に使っている構成で書いています。どの資料を正しい原本にするかは、AIが古い社内ルールで答える|管理表を足すより、写しを1枚も残さない方が効きましたも参考にしてください。

まとめ

Scionは、Anthropicが社内の大きなリポジトリを管理するために、Gitから移した自前の仕組みです。GitHubをやめた話でも、普通の会社がGitをやめる話でもありません。Gitは変更を記録する仕組みで、GitHubはそれを預けて共有する図書館です。AIで直す人が増えると、司書1人の確認は追いつかなくなります。Anthropicは、人が1行ずつ読むのをやめ、人は変更の意図を確かめ、細かいところはレビューと自動テストで確かめる形に変えました。

自分の会社で変えるのは、道具ではなく確かめ方です。まずはAIに「このフォルダの変更履歴を、Gitで残して」と頼んでみてください。

※撮影日(2026年10月15日)時点の内容です。Scion、Claude Codeのプロジェクト機能、GitとGitHubの説明は、2026年10月17日に各公式サイトで確認した内容で、変わることがあります。「1件5分」は仮の値で計算した目安です。

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