口コミへの返信をAIに頼むと、文章は出てきます。けれど、それを自分のお宿の返事として出せるかは、別に確かめる必要があります。ある旅館で最初の返信文を一緒に作ったときも、確認で出てきたのは、言い方が少し堅いという感想でした。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。

返信を始めにくい理由まで聞く

この場面で困っていたのは、文章を考える時間だけではありません。一つ返し始めると、残っている口コミすべてに返さなければならなくなる。その負担感が、着手を重くしていることが会話から分かりました。

そこで、まず目の前の口コミを使い、返信の下書きを作ってみることにしました。AiWiLLから依頼文を渡し、担当者が自分のAIに入力する形です。返信をまとめて自動投稿する設定を完成させた場面ではありません。

最初の出力で確認したのは、文章の違和感だった

下書きが出たあと、こちらから、そのまま使えそうか、普段の言い方とずれていないかを聞きました。担当者の反応は、返信ができたことへの驚きと、少し堅苦しいのではないかという迷いでした。

この違和感は、AIの使い方を間違えたという話ではありません。まだ、自分たちがどんな言葉でお客様に話すかを、十分に渡していない段階でした。先にお宿の考え方や文章の好みを聞く宿題を進め、その情報も使って返信を作っていこうとしています。

記録に残るのは、下書きを生成し、担当者が文章のトーンを確かめたところまでです。修正した最終稿や実際の投稿画面は、今回の証拠にはありません。この一回で口コミ対応が定着した、予約が増えた、とは書けません。

口コミと、採用した返事を次へ残す

当時の支援では、返信を考えることと、口コミを整理して残すことを一緒に扱いました。お客様が何に触れているかが分かれば、次の返信を考える材料にもなるからです。

持ち帰り用のガイドでは、口コミの内容と返信済みかどうかを整理し、お客様の実名を残さない形を示しました。下書きは人が読み、必要な修正をしてから投稿する扱いです。

これを自社で行うときは、AIが出した文章を全部「良い見本」にしないほうがよいと考えます。今回のように、違和感が出た下書きは、その違和感も残す必要があるからです。採用した表現と、直した理由が見える状態にすると、次に何を踏襲すればよいかを伝えられます。

一件目で使う確認メモ

以下は、この記録をもとに編集した確認例です。実際のお客様への返信ではありません。

  • 口コミで触れられた内容に、具体的に返しているか。
  • 自分たちが言わないほど堅い表現になっていないか。
  • 実行を決めていない改善や、存在しないサービスを約束していないか。
  • お客様の非公開情報を返信へ書いていないか。
  • 誰が確認し、誰が投稿するか決まっているか。

最初の目標を、未返信を一気になくすことだけに置かない。一件を見て、自分たちが使える返事の条件を言葉にする。この旅館の最初の試行から持ち帰れるのは、その確認の仕方です。

返信の下書きから、確認と記録までを業務に合わせて整えたい方は、WiLLAGENTの支援内容をご覧ください。

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