AIに自社のことを覚えてもらおうとして、資料を入れるフォルダだけ作って止まっていないでしょうか。旅館の案内文や集客の仕事にAIを使いたい担当者と、AiWiLLが最初に整えたのは、写真や資料を置く場所でした。ただ、そこでできたのは情報を受け取るための土台です。お宿の考え方や、いま何を優先したいかは、別に聞いて残す必要がありました。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。

写真を入れたあとに、まだ足りなかったこと

初回は、普段使うパソコンでAIの作業場所を作り、用意していた旅館の写真や情報を入れました。途中では、資料が本当に入ったのか分からなくなる場面もありました。そこで、AIが参照している場所と、その中にあるファイルを確かめています。

その場でフォルダの構造を作り、すでに入れた資料を整理する作業は進みました。一方、お宿の基本情報をすべて埋め終わったわけではありません。初回の記録にも、中身を入れる作業は宿題として残っています。

写真には外観や料理が写っています。しかし、そのお宿が何を大事にしているか、案内文をどれくらい丁寧にしたいか、いまどの仕事を先に進めたいかまでは、写真だけでは決まりません。AIへ渡す情報を、資料の量だけで考えない理由です。

書類を書いてもらう代わりに、AIから聞いてもらう

AiWiLLが持ち帰り用に用意したのは、棚卸しインタビューの指示書でした。既に分かっていることを確認し、足りないことをAIから一問ずつ聞き、回答を保存していく構成です。質問と整理はAIに任せても、宿の方針や仕事の優先順位は、担当者が答えて確かめる必要があります。

次のセッションでは、担当者から、渡した指示をAIに入れて質問に答えたことが報告されました。仕事の課題についても聞かれていたことが、やり取りの中で確認できました。

ここで確認できるのは、インタビューに取り組み、課題を整理する対話が行われたことです。すべての情報が正しく保存され、以後の文章に毎回反映されるようになった、とまでは言えません。実際、その後には作成済みの資料を探す場面も出てきました。

次に渡す指示書は、基本情報と課題を分けた

セッション後に用意したセットアップ用の資料では、出力を「会社概要」と「課題と目標」に分けました。前者には何を提供しているか、どんなお客様に選ばれているか、文章の言葉遣いなどをまとめる。後者には時間がかかる仕事、手が回っていない仕事、解決したい順番をまとめる設計です。

既に書いてあることは読み直してから質問し、分からないことは要確認のまま残す。途中で終わっても、続きから再開できるようにする。忙しい人に一度で長い会社紹介を書いてもらう負担を、質問と確認に分けるための資料でした。この追加資料が最後まで実施されたかは、今回の記録では確認できていません。

自社で試すなら、最初の仕事に必要なことから

次は、この現場をもとに整理した確認項目です。当時の回答や実際の指示文をそのまま転記したものではありません。

  • AIに頼む最初の仕事を一つ決める。
  • その仕事で使う既存資料と、既に承認した文章を用意する。
  • 資料にない判断や言葉遣いだけを、一問ずつ聞いてもらう。
  • 分かったことと要確認のことを分けて残す。
  • 次に仕事を頼むとき、その情報を参照できるか確かめる。

最初から会社の全情報を完成させる必要はありません。まず一つの仕事で使い、足りなかったことを戻していく。その往復を始められる状態を、導入の一区切りにすると進めやすくなります。

自社では何を聞き取り、どの仕事から使うかを整理したい方は、WiLLAGENTの支援内容をご覧ください。

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