集客のためにAIを使いたいと言われたとき、投稿文をたくさん作ることから始めるとは限りません。ある旅館の支援では、事前に並べた施策を現場の話と照らし合わせ、すでに回っている発信には大きく手を入れず、手が付いていない案内や情報更新を優先しました。
AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。
相談の出発点は、集客したい時期だった
最初のお打ち合わせでは、旅館の集客に取り組む担当者から、これから集客を強めたい時期に向けて相談がありました。どのお客様へ何を案内すればよいか、いまの発信に何を加えるかを、一緒に考えるところが出発点です。
その後、AiWiLLでは集客施策の一覧を用意しました。見つけてもらう方法、サイト上で選んでもらうための情報、もう一度来てもらう案内、発信を続けるための準備。いくつかの場面に分け、優先順位を付けた資料です。
ただし、資料を作った時点では、現場ですでに何が動いているかをすべて把握できていたわけではありません。初回セッションでは、その一覧を見ながら担当者の運用を聞き直しました。
SNSは、すでに使える流れがあった
担当者は、写真と出来事を渡して文章を作る仕組みでSNSを運用していました。投稿した情報がほかの案内先にも反映される流れについて、画面と説明を確かめています。
この部分は、今すぐ別のAIを加える優先度が高くないと判断しました。既存の仕組みでどこまでできているかを確認すると、新たに作るべきものが減ることもあります。
一方、口コミへの返事、公式サイトの案内情報、過去のページにつながっている外部リンクなどは、その場で検討する対象になりました。サイトは制作会社に依頼していたため、自分たちで編集できるか、依頼するとしたら何を渡すかを確認するところからです。
施策の数から、次に進める仕事へ絞る
事前の一覧には多くの選択肢がありました。しかし、その一覧を全部実行したわけではありません。
後のセッションでは、過去のお客様への案内を先に扱い、そのあと記事づくりへ進みました。案内文を作るにしても、送り先の情報、伝える内容、予約先、送信手段といった準備が必要です。「AIでメールを作る」という一言を、実際に進める仕事へ分けていきました。
この時点では、案内の配信や集客効果の検証まで完了していません。優先順位を決めて動いたことと、予約に結びついたことは分けて記録しています。
最初の打ち手を選ぶための整理
この現場の進め方を、自社で確認する項目にすると次のようになります。実測で有効性を比較したランキングではなく、打ち合わせを進めるための整理です。
| 確認すること | 次に決めること |
|---|---|
| いつ、どんなお客様に来てほしいか | 今回の案内の目的 |
| すでに無理なく続いている発信は何か | 維持する仕組み |
| お客様が判断するのに足りない情報は何か | 先に直すページや案内 |
| 誰の確認や操作が必要か | その場で進める範囲と持ち帰り |
「何ができるAIか」を調べる前に、この四つを見ておくと、依頼する仕事の形が具体的になります。
AiWiLLの支援でも、今回のように普段の運用を見て、使い続けるものと、次に整える仕事を決めます。

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