Cloudflare(クラウドフレア)は、自社システムを作る側から見ると、必要な部品が1か所にそろうサービスです。社員がログインする仕組み、顧客などのデータを入れるデータベース、資料を置くファイルの保存、社員がブラウザで開く画面の公開。この4つが、Cloudflareの中にそろっています。AiWiLL CTOの所は「一言で言うと、正直、画期的なシステム」と答えました。これまでは、データベースはこのサービス、Webへの公開は別のサービスと分けて、APIでつないで作るのが普通でした。それが、Cloudflareひとつで済みます。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。

この記事は、YouTube「AI顧問の現場録」で、熱海の起雲閣の和室で撮影した日に、お手洗いから戻ってきた所へ聞き手が「Cloudflareって何ですか?」と突撃した、約9分の短い回の記録です。撮影日(2026年10月15日)時点の内容です。Cloudflareのサービスの名前と無料で使える範囲は、動画では話していない補足として、2026年10月17日に公式資料で確かめて足しました。

この記事の結論

  • Cloudflareには、データベースも、Webに公開する仕組みも備わっています。Cloudflareひとつで、何かしらできてしまいます(所の答え)。
  • 社員一人一人にアカウントを付けて顧客管理をするような仕組みなら、ログイン・データベース・ファイルの保存・公開の4つが、Cloudflareの中で完結します(私の言い換えに、所が「おっしゃる通り」)。
  • これまでは、データベースのサービスと公開のサービスを別々に用意し、APIでつないで作っていました。Cloudflareでは、その組み合わせが1か所で済みます。
  • 補足:Supabaseも、ログインやファイルの保存を備えています。Cloudflareの違いは、Webへの公開まで同じ場所にあることです。利用者からお金を受け取る仕組みは、Stripeなどの決済サービスとつないで作るのが一般的です。
  • 補足:4つの部品は、ログイン=Cloudflare Access、データベース=D1、ファイルの保存=R2、公開とプログラム=Workersです。どれも無料で使える範囲があります(2026年10月17日に確認)。
  • 作る前に、誰がログインできるか、アカウントと支払いを会社で持つか、無料の範囲を超えたらどうするかを決めてください。
  • 最初の一歩は、AIに「この社内ツールは、Cloudflareのどの機能を使ってる?」と聞き、ログイン・データ・保存・公開の4つに分けて答えてもらうことです。

動画で見たい方は、YouTube「AI顧問の現場録」の回をどうぞ:Cloudflareとは?ログイン・データベース・保存・Web公開が1か所に。自社システムを作るときの使い方を、AiWiLLのCTOと社長が話す(2026年10月15日の収録)

お手洗い帰りの所に、「Cloudflareって何ですか?」

この日は、熱海の起雲閣の和室で撮影しました。昔は旅館だった建物で、今は熱海市の施設です。私たちの事務所が熱海にあるので、熱海の場所を使って撮っています。

AiWiLL CTOの所も来ていました。所はエンジニア出身で、社内システムの開発を担当しています。所がお手洗いに行っている間に、聞き手が企画を立てました。戻ってきてドアの音がしたら、急いで行って「Cloudflareって何ですか」と聞く。所さん歓迎ドッキリです。

聞き手は、この間初めてCloudflareを使ったそうです。ただ、何なのか分からないまま使った、と話していました。私は「何でもできるからね」と返しました。何でもできるものほど、「これは何だ」という聞かれ方をすると、すごく困ります。所の腕が試される質問です。私も「僕も勉強したいので」とお願いしました。

所の答え:「一言で言うと、画期的なシステム」

ドッキリのつもりでしたが、答えはすぐに、しっかり返ってきました。

再現イメージ

聞き手

所さん、Cloudflareって何ですか?

所

Cloudflareはですね、一言で言うと、正直、画期的なシステムですよ。

聞き手

と言うと?

所

よく皆さんがやっているデータベースとか、あとWebシステムとか、そういったものが個々に…。たとえばですけど、最近だとデータベースなら、Supabaseとかって呼ばれているものがあるんですけど、そういったものって、データベースだけなんですよ。

ただ、Cloudflareってデータベースも備わっているし、Webに公開できるシステムも備わっている。全体的なものが常に備わっているんですよ。Cloudflareの一つだけで。

収録のやり取り(言いよどみだけ整えています)

ここは、動画でも補足を入れたところです。Supabaseも、データベースだけのサービスではありません。Supabaseの公式ドキュメントには、データベースのほかに、ログイン(Auth)やファイルの保存(Storage)が並んでいます(Supabase Docs)。一方で、Webの画面を公開する仕組みは挙がっていません。Cloudflareとの違いは、ログインやデータに加えて、Webへの公開まで同じ場所にそろうことです。

Cloudflare自身も、開発者向けの基盤について「フルスタックやAIのアプリを作るのに必要な部品が、すべてそろう」と説明し、プログラムを動かす計算の場所、データベース、保存、メディア、AIを挙げています(Cloudflare Developer Platform)。所の「Cloudflareの一つだけで」と同じことです。

所は続けて、「もしかすると、それを使って課金体系とか、そういったものも備わっている」とも話しました。ここも補足です。自分のサービスで利用者からお金を受け取る仕組みは、Stripeなどの決済サービスとつないで作るのが一般的です。

自社システムで言い換えると、4つが1か所で完結する

所の説明を、私は自社システムを作る場面に置き換えて確かめました。

たとえば、うちのような会社が自社システムを作りたいとします。社員一人一人にアカウントを付けて、データベースのもとで顧客管理をする。そのとき、ログインの機能はCloudflareの中にある。データベースもCloudflareにある。ストレージもあるから、データも保存できる。サーバーもある。だから、こういうシステムを作りたいとなったら、全部Cloudflareの仕組みで完結する。そう聞くと、所は「おっしゃる通りです」と答えました。

図解

ログイン

社員一人一人にアカウントを付けて、決めた人だけを通す

補足:Cloudflare Access

データベース

顧客管理などのデータを持つ

補足:D1

ストレージ

資料や画像などのファイルを保存する

補足:R2

公開

社員がブラウザで使う画面を出し、プログラムを動かす

補足:Workers

自社システムを作るなら、Cloudflareの中で完結する4つ

私自身、今は業務で使うシステムの開発と、Cloudflareに時間を使っています。このサイト(aiandwill.com)も、Cloudflare Workersで配信しています。

これまでは、道具ごとに分けて、APIでつないでいた

聞き手が、所に聞きました。Cloudflareが出る前は、クラウドはクラウドのことしかできない感じだったのか。

所の答えは「一つ一つのシステムごとに」でした。そして、APIと呼ばれるもので、それぞれをつなぐ。APIは、ソフト同士をつなぐ窓口のことです。聞き手が「クラウドの機能からはWebに出せなくて、またAPIでつなげて、別の…」と言いかけると、所が「Webシステムにつなげて、Webシステムが公開する」と引き取りました。そして「役割分担が一つ一つあったけども、Cloudflareが全部になっちゃった」とまとめました。

図解

これまで

データベースはこのサービス、Webへの公開は別のサービス。APIでつないで公開していた

道具ごとに役割が分かれる

Cloudflare

ログイン・データ・保存・公開が、1か所で完結する

Cloudflareの一つだけで(所)

Cloudflareで、何が変わったか

ここから先は、動画では話していない補足です。ログイン・データベース・保存・公開を1つのサービスでそろえられるのは、Cloudflareだけではありません。たとえばGoogleのFirebaseも、Webの公開(Hosting)、ログイン(Authentication)、データベース(Firestore)、ファイルの保存(Cloud Storage)を同じドキュメントの中で用意しています(Firebase Hosting)。所の言う「これまで」は、データベースのサービスと公開のサービスを別々に用意してAPIでつなぐ、という組み方のことです。どのサービスで作るかは、無料の範囲と料金、社内で誰が管理するかで比べてください。この記事では、収録で話したCloudflareで説明します。

4つの部品は、Cloudflareのどのサービスか

動画では話していない補足です。収録で話した4つの部品を、Cloudflareのサービスの名前と、無料で使える範囲に当てはめました。2026年10月17日に、Cloudflareの公式資料で確かめた内容です。料金はドル建てです。

  • 公開とプログラム:Workers。社員がブラウザで開く画面を出し、データを読み書きするプログラムを動かす場所です。HTMLや画像などのファイルを一緒に置いて配信でき(Static Assets)、そのファイルの配信は無料で、回数の制限もありません(Billing and limitations)。数えられるのは、プログラムが呼ばれた回数です。無料プランは1日10万回までで、超えるとエラー(Error 1027)になります(Limits)。有料プランは月5ドルからで、月1,000万回が込みです(Pricing)。Webサイトの公開にはPagesというサービスもありますが、Cloudflareは新しく作るならWorkersから、と案内しています(Cloudflare Pages)。
  • データベース:D1。SQLiteと同じ書き方で使えるSQLのデータベースです(D1)。無料プランでは、1日に読み取り500万行・書き込み10万行、保存は全体で5GBまで使えます。無料プランでは、1日の上限を超えると請求されるのではなく、その日はクエリが通らなくなります。保存の上限を超えたときは、新しく書き込めなくなります(D1の料金)。1つのデータベースの大きさは、無料で500MB、有料で10GBまでです(D1の上限)。
  • ファイルの保存:R2。資料や画像のような、表の形をしていないデータをたくさん置く場所です(R2)。無料の範囲は、毎月10GB分の保存と、書き込みなどの操作(Class A)100万回・読み出しなどの操作(Class B)1,000万回です。ファイルを取り出すときの通信料はかかりません(R2の料金)。
  • ログイン:Cloudflare Access。設定したルールで、誰がアプリに入れるかを決める仕組みです。「@会社のドメイン で終わるメールアドレスの人だけ通す」といったルールを書けます(Policies)。無料プランは50ユーザーまでで、51人以上で使うなら有料プラン(1ユーザーあたり月7ドル、年払い)です(Cloudflare Access)。

Accessは、社員や外注先など、会社が通す人を決めて使う仕組みとして説明されています(Cloudflare Access)。お客様が自分で会員登録して使うサービスを作るなら、ログインの作り方は別に確かめてください。

社内で使う規模なら、無料の範囲でどこまで使えるかの目安を出しておきます。仮に、社員10人が1日に100回ずつ検索や保存などの操作をして、1回の操作でプログラムが5回呼ばれる作りだとすると、10人×100回×5回=1日5,000回です。Workersの無料プランの1日10万回の5%にあたります。呼ばれる回数は作り方で大きく変わるので、仮の値として見てください。もう一つ気をつけたいのがD1です。D1は、返ってきた行ではなく、読んだ(調べた)行の数で数えます(D1の料金)。たくさんの行をまとめて調べる検索を何度もすると、Workersより先に、D1の読み取りが上限に近づきます。

顧客や取引先のデータベースが仕組みの本体になる例は、水産の会社のAI社員の話(電話注文のメモをLINEに送るだけで納品書に)に書きました。

この方法が向かない場合と、先に決めること

どんな会社にも同じように合うわけではありません。次のことは、作り始める前に決めてください。ここはすべて、動画では話していない補足です。

  • お客様が会員登録して使うサービスを作る:Cloudflare Accessは、会社が通す人を決めて使う仕組みです。お客様が自分でアカウントを作るログインは、別の作り方になります。お金を受け取るなら、決済もStripeなどのサービスとつなぎます。収録で話した4つの部品をそのまま使えるのは、社員が使う社内の仕組みです。
  • 誰がログインできるか:顧客の情報を入れるなら、誰を通すかのルールを先に決めます。会社のメールアドレスの人だけにする、辞めた人はすぐ外す、といったことです。
  • アカウントと支払いを、会社で持つ:社員が個人のアカウントで作った仕組みに、会社の顧客の情報が入るのは、会社の知らないところでAIを使う「シャドーAI」と同じ問題です。会社のアカウントで作り、支払いも会社で持ってください。考え方は社員がこっそりAIを使っていたらに書きました。
  • 無料の範囲を超えたとき:超えたときの扱いは、サービスで違います。WorkersとD1の無料プランは、上限を超えるとエラーになったり、その日の読み書きが通らなくなったりします。有料プランでは、込みの量を超えた分が使った分だけ請求されます。R2は、使い始めるときに申し込みが要り、無料の範囲を超えた分は止まらずに請求されます(R2を始める)。Accessは、使う人の数で決まる料金です(各サービスの料金ページ)。社内で毎日使う仕組みなら、どちらで動かすか、誰が使った量を見るかを決めておきます。

持ち帰り:AIに「どの機能を使ってる?」と聞く

最初の一歩は、動画の最後に出した一つです。AIに作ってもらった社内ツールについて、AIに「Cloudflareのどの機能を使っているか」を聞きます。答えは、ログイン・データ・保存・公開の4つに分けてもらいます。これから作る場合も、作る前に同じ4つで説明してもらうと、何がどこに置かれるかが分かります。

そのまま使える依頼文です。

この社内ツールは、Cloudflareのどの機能を使っていますか。
次の4つに分けて、それぞれ答えてください。

1. ログイン:誰が入れるか。どのサービスで決めているか
2. データ:どのデータベースに、何のデータを入れているか
3. 保存:ファイルをどこに置いているか
4. 公開:どのサービスで、どのアドレスに公開しているか

Cloudflare以外のサービスを使っているところがあれば、それも書いてください。
分からないところは、推測で埋めずに「分からない」と書いてください。

答えが返ってきたら、次の3つを確かめます。

  • 4つのうち、Cloudflareの外にあるものはどれか(どこへつないでいるか)。
  • 顧客の情報が入っているのはどこか。そこに入れる人は誰か。
  • アカウントと支払いは、会社のものか。

まとめ

Cloudflareは、自社システムを作る側から見ると、ログイン・データベース・ファイルの保存・Webへの公開が1か所にそろうサービスです。所の言葉では「一言で言うと、画期的なシステム」。これまで道具ごとに分けてAPIでつないでいた組み合わせが、Cloudflareひとつで済みます。社員にアカウントを付けて顧客管理をするような社内の仕組みなら、4つの部品をそのまま使えます。作る前に、誰がログインできるか、アカウントと支払いを会社で持つか、無料の範囲を超えたらどうするかを決めておきましょう。

最初の一歩として、AIに「この社内ツールは、Cloudflareのどの機能を使ってる?」と聞き、4つに分けて答えてもらってください。

※撮影日(2026年10月15日)時点の内容です。Cloudflare・Supabase・Firebaseのサービス内容と、Cloudflareの無料の範囲・料金は、2026年10月17日に各社の公式サイトで確認した内容で、変わることがあります。料金はドル建てです。目安の回数は仮の値で計算したものです。

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