Claude CodeやCodexを使いこなすほど、AIはターミナルで動かすようになります。そのとき生産性を分けるのが「どの画面で動かすか」です。私はVS CodeやCursor、Zedなど、いろいろな開発環境を使ってきました。AIエージェントを動かす作業場として、やっと正解だと思えたのがOrca(オルカ)です。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。

この記事では、普段使っている実際の画面で、Orcaで何が便利になるのかを紹介します。後半では、ターミナルやIDEに慣れていない方向けに基本もまとめています。

この記事の結論

  • Orcaは、Claude Code・Codexなど複数のAIエージェントを、1つの画面で並べて動かせる開発環境です。無料で、オープンソースです。
  • プロジェクトごとに今何が走っているか、AIの使用率がどれくらいかが、最初から見えます。
  • 常時起動のパソコンに入れておけば、スマホのアプリから24時間、指示や引き継ぎができます。
  • 向いているのは、ターミナルでAIエージェントを使い始めた人と、複数のAIを使い分けている人です。

動画で見たい方は、YouTube「AI顧問の現場録」の回をどうぞ:AIエージェントの作業場は「Orca」が正解だった|スマホで24時間動かす

AIを使いこなすと、ターミナルにたどり着く

AIエージェントを使うとき、多くの方はClaudeやChatGPTのデスクトップアプリ、スマホのアプリ、CodexやCoworkを使っていると思います。

ところが、使いこなすほど「ターミナルでやりたい」という深みにはまっていきます。いろいろな会社のAIを使い分けながら仕事をするなら、ターミナルがいちばん便利だからです。どのAIを選ぶかは、Claude CodeとCodexとGrok、会社の職場はどれにするかにまとめています。

ターミナルでAIを使うようになると、次に悩むのが「どのIDE(統合開発環境)で使うか」です。有名なのはVS CodeやCursorです。私自身は、これまでZedなどをよく使っていました。ちなみに使ってみた感覚でいうと、Cursorは重い。でもOrcaは軽いです。

Orcaとは

Orcaは、AIエージェントを動かすために作られたデスクトップの開発環境です。公式サイトには「Claude Code、Codex、そのほかのコーディングエージェントを並べて動かせる。ターミナル、差分、ブラウザ、CLIを、エージェントのための1つのアプリに」とあります。

Orcaの公式サイトのトップ。Ship 100x with the agent IDEの見出しとBacked by Y Combinatorの表記
Orcaの公式サイト。「Backed by Y Combinator」の表記がある。
項目内容
種類AIエージェント用のデスクトップ開発環境
対応OSWindows、macOS(Apple Silicon・Intel)、Linux
料金無料。オープンソース(MITライセンス)
開発元Stably AI(米国のスタートアップ支援機関Y Combinatorの2022年冬の採択)
スマホOrca Mobile(ベータ。iOSはApp Store、AndroidはAPKで配布)

2026年10月7日に、Orcaの公式サイトとドキュメントで確認。

実際の画面で見る、Orcaの便利なところ

1. ファイル一覧・ターミナル・編集が1つの画面にある

Orcaのアプリ画面。左にプロジェクトとエージェントの一覧、中央にClaude Codeのターミナル、右にファイルの一覧
左がプロジェクトとエージェントの一覧、中央がターミナル(ここではClaude Code)、右がファイルの一覧。

普通のIDEと同じように、右にファイルの一覧があり、中央がターミナルです。ターミナルはタブで開いていて、ファイルを開けばそのまま文字を打って編集できます。AIに作ってもらったファイルを、その場で直せます。

2. プロジェクトごとに、今何が走っているかが見える

Orcaの左の列。ワークスペースの中に12のエージェントが並び、それぞれ最後に動いてからの時間が出ている
ワークスペースの中で12のエージェントが並んでいる。右端は最後に動いてからの時間。

いちばん便利なのがここです。自分のワークスペースのプロジェクトごとに、どのエージェントが今何をしているかが、ひと目で分かります。Claudeをいくつも並べて動かしていても、迷子になりません。

3. AIの使用率が最初から出ている

Orcaの画面下の帯。AIごとの使用率とリセットまでの時間が並んでいる
画面の下の帯。インストールしているAIごとの使用率と、リセットまでの時間。

何も設定しなくても、Claudeの使用率が出ています。「ChatGPTはもう上限まで使った」ということも、ここで分かります。Claudeだけでなく、AntigravityやGrokなど、パソコンに入れているAIの使用率が並びます。

4. 新しいタブで、入れているAIをそのまま起動できる

Orcaの新しいタブのメニュー。PowerShellなどのターミナルの下に、Claude、Codex、Grok、Antigravityが並ぶ
新しいタブのメニュー。ターミナルの種類の下に、Claude・Codex・Grok・Antigravityが並ぶ。

普通のIDEで新しいターミナルを開くと、まずPowerShellが出てきます。Orcaでは、パソコンに入れているAIがそのまま選択肢に出ます。「Claude」を選ぶだけで、新しいClaude Codeが立ち上がります。

なお、ローカルLLM(LlamaやQwenなど)はこのメニューには出てきません。私のパソコンでは使えるようにしていますが、Orcaの一覧には出ないので、ターミナルから起動しています。

5. スマホのアプリで、24時間指示と引き継ぎができる

スマホに表示したOrcaのモバイルアプリ。パソコン(ホスト)に接続中と表示されている
Orcaのモバイルアプリ。パソコン(ホスト)につながり、動いているエージェントが見える。

ここからが、私がいちばん気に入っている点です。私はこのパソコンを常時起動にしていて、スマホやほかのノートパソコンから24時間アクセスできるようにしています。

Orcaにはスマホのアプリがあり、パソコンで動いているセッションを見たり、指示したり、引き継いだりできます。この収録をしている間も、Claude Codeに動画編集をさせていました。経過をスマホで眺めて、AIから質問が来たらスマホで返すと、パソコン側で処理がそのまま進みます。

常時起動のパソコンを1台持っている方や、VPS(クラウド上のサーバー)に自分のワークスペースを置いている方なら、Orcaを入れておけば、スマホで24時間AIに作業させられます。

公式ドキュメントによると、つなぎ方は次のとおりです。

  • パソコンのOrcaに、使い捨てのペアリング用コードが出る。スマホのアプリで「Pair」を選んで、そのコードを貼る。
  • つなぎ方はOrca Relay(使えるときはこちらが推奨)か、同じネットワーク(LAN)。
  • パソコンのアプリを閉じると、直接・LANの接続は切れる。パソコン側を開いたままにしておく。

そもそもターミナルとIDEとは(慣れていない方へ)

ここからは、デスクトップアプリ以外でAIを使うことにまだ慣れていない方向けの解説です。

ターミナルは、パソコンを内側で動かしている黒い画面

WindowsのPowerShellの真っ黒い画面
WindowsのPowerShell。「ターミナル」「PowerShell」と検索すると出てくる。

Windowsで「ターミナル」や「PowerShell」と検索すると、真っ黒い画面が出てきます。パソコンは、基本的にこれで動いています。人間が操作しやすいように、Windowsはソフトを目で見える形で表示してくれていますが、内側はコマンドだけで動いています。

Claude Codeをパソコンに入れておけば、この画面で claude と打つだけで起動します。あとは「どこどこの契約書を探して」と頼めば、パソコンの中のファイルを探してくれます。「編集して」「削除して」「このフォルダを整理して」と頼めば、パソコンの中を操作して作業してくれます。入れ方はClaude CodeをWindowsにインストールする手順にまとめています。

IDEは、見て触れるターミナル

ただ、この黒い画面だけだと困ることがあります。フォルダやファイルを直接触りたいときに、目で見えないのです。ファイルの置き場所や、開いたファイルの中身が目に見えたほうが、仕事ははかどります。

一般的なIDE(Zed)の画面。下にターミナル、右にフォルダの一覧、上に開いたファイル
一般的なIDE(ここではZed)。下がターミナル、右がフォルダの一覧、上が開いたファイル。

そこで使うのが、IDE(統合開発環境)です。下にさっきの黒い画面(ターミナル)、右に今開いているフォルダの一覧、上に開いたファイルの中身があり、そのまま編集できます。1つの画面で3つの機能を見て触れる。だから、AIを使うときにIDEを用意するのです。

実演:メモのファイルにtextを10個入れてもらう

試しに、IDEのターミナルでClaudeを立ち上げて、ワークスペースの中のメモのファイルを指定し、こう頼みました。

このファイルを編集してほしい。中身はtextという言葉を10個入れてください。

IDEの画面。上のメモのファイルにtextが10個入り、下のターミナルにClaudeの報告が出ている
上のファイルにtextが10個入り、下のターミナルにClaudeの報告が出ている。

AIがパソコンの中のファイルを編集し、その結果が目に見える状態で確認できます。人間に優しい形で、ターミナルでAIを使える。これがIDEの役割です。

Orcaなら、それが全部1つの画面に

同じメモをOrcaで開いた画面。左にClaudeのエージェントが並び、下に使用量が出ている
同じメモをOrcaで開いたところ。左にはClaudeが並び、下に使用量が出ている。

Orcaでも、さっきのメモがそのまま開けます。そのうえで、大量のClaudeを並べて起動しておけて、それがひと目で分かる。使用量もその場で確認できる。スマホからも操作できる。これが1つになっているのが、Orcaの便利なところです。

始め方

  1. 公式サイト(onorca.dev)からダウンロードします。Windowsはインストーラー、macOSはdmg(Homebrewなら brew install --cask stablyai/orca/orca)、LinuxはAppImage・deb・rpmです。
  2. いつも使っているClaude CodeやCodexを、Orcaの新しいタブから開いてみます。Claude Code自体は先に入れておきます。
  3. 慣れてきたら、常時起動のパソコン(またはVPS)に入れて、スマホのOrca Mobileとペアリングします。

外からパソコンを操作できるようにする場合は、どの端末をペアリングしたかを自分で把握しておいてください。会社のパソコンで使う場合は、社内のルールも確認しましょう。

どんな人に向いているか

今の使い方おすすめ
デスクトップアプリで足りていて、ターミナルはまだまずClaude Codeなどをターミナルで1回動かしてみる。Orcaはその後でよい
ターミナルでAIエージェントを1つ使っているOrcaで、ファイル・ターミナル・編集を1つの画面にまとめる
Claude・Codex・Grokなど複数のAIを並べて回しているOrcaの一覧と使用率の表示がいちばん効く
ローカルLLMをよく使う新しいタブのメニューには出ないので、ターミナルから起動する
外出中も作業を止めたくない常時起動のパソコンかVPSに入れて、Orca Mobileとつなぐ

まとめ

AIエージェントは、使いこなすほどターミナルで動かすようになり、どの画面で動かすかが生産性を分けます。Orcaは、複数のAIを並べて動かし、その様子と使用量をひと目で見られて、スマホからも操作できる作業場です。最初の一歩として、Orcaを入れて、いつものClaude CodeやCodexを開いてみてください。

AiWiLLのAI顧問では、AIエージェントの導入から、社内での使いこなしまで伴走しています。

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