3年後に、AIで消える仕事は何か。顧問先でもよく聞かれる質問です。私の答えは、決まった手順でやる仕事から減っていく、です。作業者なら、毎日のメールの送受信や、請求書・見積もりを出す仕事。マネージャーなら、案件や進捗の管理と評価。社長なら、業績や予実の管理。そして残るのは、人とのコミュニケーション、新しい企画、仲間を増やすこと、市場をつくること。作業者から社長まで、全員の仕事が1段上がります。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。

この記事は、YouTube「AI顧問の現場録」で、熱海の港の桟橋で、聞き手の高橋が突然「3年後に消えてしまう仕事って何がありますか?」と聞いてきた、突撃インタビューの回の記録です。撮影日(2026年10月10日)時点の内容です。

この記事の結論

  • 作業者:毎日のメールの送信・返信、請求書や見積もり出しのような、決まった手順の仕事は消えていくと言われています。ロボットの開発が進めば、倉庫の入出庫やパッキングのような人の手がいる仕事も置き換わる可能性が高い。ただし、3年は絶妙な期間です。
  • マネージャー:案件管理・進捗管理・メンバーの評価・計画づくりは、日々のデータからAIが担うようになる。残るのは、人とのコミュニケーションと、目的のための新しい企画(0→1)です。
  • 社長:事業の業績や予実の管理は、AIがだいぶ代わっていく。社長がやることは、仲間を増やすこと、事業の可能性を広げること、市場をつくることです。
  • 全員:細かいルーティンや雑務が減り、その人にしかできない仕事に集まっていく。全員の仕事が1段上がります。
  • 最初の一歩は、自分の仕事を「決まった手順でやる仕事」と「自分にしかできない仕事」に分けて書き出すことです。

動画で見たい方は、YouTube「AI顧問の現場録」の回をどうぞ:突撃!3年後に消える仕事は?作業者・管理職・社長の「残る仕事」(2026年10月10日の収録)

「3年後に消える仕事は?」と、突撃で聞かれた

朝、熱海の港の桟橋で、聞き手の高橋に呼び止められました。「3年後に消えてしまう仕事って何がありますか?」。突撃です。驚きました。しかも聞かれたのが、消える仕事です。「怖いよ」「怖いですね」と言い合いました。

ただ、これは顧問先でも結構よく質問にある話題です。答えは、作業者・マネージャー・社長の3段に分けると見えやすくなります。

図解

作業者

消える:メールの送受信、請求書や見積もり出し、倉庫の入出庫・パッキング

残る:その人にしかできない仕事

マネージャー

消える:案件管理、進捗管理、メンバーの評価、計画づくり

残る:人とのコミュニケーション、新しい企画(0→1)

社長

消える:事業の業績や予実の管理

残る:仲間を増やす、事業の可能性を広げる、市場をつくる

3年後に、消える仕事と残る仕事

作業者:決まった手順の仕事から、消えていく

定型業務、つまりルーティン化された業務は、なくなると言われています。普段、毎日やっているメールの送信・返信。請求書や見積もりを出す仕事。そういった、インターネット上で決まった手順でやっている仕事は、割と消えていくはずです。

もう1つが、人の手がいる仕事です。今、ロボットの開発がかなり進んで、人間の動きがだいぶできるようになってきています。倉庫に荷物を入れる、倉庫から荷物を出す、パッキングする。こうした決まった動きの仕事も、なくなっていく可能性が高い。

聞き手から「事務作業じゃなくて、人の手がいるようなものでも?」と聞かれました。ロボットに代わられる可能性はあります。ただ、3年はちょっと絶妙な期間です。3年後にはまだかもしれない。それでも、将来そうなる可能性はかなり高いと思います。

図解

画面の中の決まった仕事

毎日のメールの送信・返信、請求書や見積もりを出す。インターネット上で、決まった手順でやる仕事

人の手がいる決まった仕事

倉庫に荷物を入れる・出す、パッキングする。ロボットの開発しだいで、3年後はまだかもしれない

作業者の仕事で、消えていくと言われているもの

企業への調査でも、同じ方向の見立てが出ています。世界経済フォーラムが2025年1月に公表した調査では、2030年までに減少率が大きいと見込まれた職種の上位10に、収録で話した仕事に近いものが並びました。

減少率が大きいと見込まれた職種(上位10から抜粋)収録で挙げた仕事に近いもの
データ入力の事務(3位)インターネット上で決まった手順でやる仕事
事務アシスタント・役員秘書(5位)メールの送信・返信
経理・簿記・給与計算の事務(7位)請求書や見積もりを出す仕事
資材・在庫の記録係(8位)倉庫に荷物を入れる・出す

出典:世界経済フォーラム「Future of Jobs Report 2025」(2025年1月公表・世界の1,000社超、従業員1,400万人超、55の国と地域の企業への調査)。図2.2「Fastest-growing and fastest-declining jobs, 2025-2030」から抜粋。職種名の日本語は当社訳。報告書PDF

この調査は、減る主な理由に、デジタル化の広がり、AIと情報処理の技術、ロボットと自律システムを挙げています。ただし、期間は2030年までの5年間です。3年で全部が消える、という数字ではありません。

見積もりの仕事をAIに任せるときに、人が何を決めるかは見積もりの下書きをAIに任せるにまとめています。

マネージャー:管理の仕事が減り、人と企画が残る

作業者からレイヤーを1つ上げて、マネージャーの話です。マネジメントそのものも、結構減ってくると言われています。

たとえば、案件管理や進捗管理、メンバーの評価。日々のデータをAIに渡して評価させる。案件の進捗もAIが確認して、管理していく。計画を立てるところも、過去の事例からAIが立てるようになります。

図解

AIが担うようになる

案件管理、進捗管理、メンバーの評価、過去の事例からの計画づくり

人に残る

人とのコミュニケーション、目的を達成するための新しい企画とアイデア出し(0→1)

マネージャーの仕事の行き先

そうなると、マネージャーの仕事は、人とのコミュニケーションと、目的を達成するための新しい企画やアイデア出し、0→1(ゼロイチ)のところに集まっていきます。それを実現するのは、AIの側です。

細かいルーティンや雑務が減って、その人にしかできない仕事に集まる。価値の高い、その人にしかできない仕事だけが残っていく。そういう未来が予想されています。

社長:予実の管理はAIへ。社長は市場をつくる

社長も同じです。経営のマネジメントのところは、だいぶAIが代わっていくはずです。事業の業績や予実の管理といった部分は、かなり減ると言われています。

図解

AIが代わっていく

事業の業績や、予算と実績の管理

社長がやること

仲間を増やす。事業の新しい可能性を広げる。自分の事業だけでなく、市場をどうつくるかを考える

社長の仕事の行き先

社長がやることは、仲間を増やしていくこと。事業の新しい可能性を広げていくこと。そして、自分の事業だけではなく、市場をどうつくっていくかです。AIで回る会社の社長の仕事がどこまで絞られていくかは、拙著の第6章を全文公開したAI会社の経営、社長の仕事はどう変わるかに、当社の朝の実例と一緒に書きました。

全員の仕事が、1段上がる

作業者も、マネージャーも、社長も同じです。全員がレイヤーを一気に上げていくような、仕事のあり方に変わっていくと思います。

図解

  1. 作業者

    決まった手順の仕事はAIへ。その人にしかできない仕事へ上がる

  2. マネージャー

    管理の仕事はAIへ。人とのコミュニケーションと新しい企画へ上がる

  3. 社長

    経営の管理はAIへ。仲間を増やし、可能性を広げ、市場をつくる仕事へ上がる

全員の仕事が、1段上がる

「消える仕事」と聞くと怖く聞こえます。でも、消えていくのは決まった手順の部分で、空いた分だけ、その人にしかできない仕事に時間を使えるようになります。会社として人を減らせるのか、という問いには、別の回のAIを入れたら社員は減らせる?で答えています。

この見立てが当てはまらない場合

ここまでの話は、収録で「〜と言われています」と話したとおり、見立てです。次の場合は、3年で同じようには進みません。

  • ロボットが要る仕事:倉庫の入出庫やパッキングは、ロボットの開発しだいです。収録でも話したとおり、3年後はまだかもしれません。
  • 日々のデータが残っていない会社:AIが進捗を確かめ、評価し、計画を立てるには、日々の仕事のデータが要ります。案件の状況が担当者の頭の中にしかない会社では、管理の仕事は減りません。
  • 手順が言葉になっていない仕事:決まった手順の仕事でも、その手順が誰にも書かれていなければ、AIには渡せません。先に手順を書き出す仕事が要ります。
  • 評価や計画の確定:AIが評価や計画の下書きを出しても、それで決めてよいかを確かめて確定するのは人です。当社では、経理でも「数字の下書きはAI、確定は人」と線を引いています(経理のAI活用)。
  • 仕事の総数:世界経済フォーラムの同じ調査は、2030年までに9,200万の仕事が失われる一方、1億7,000万の仕事が新しく生まれると見込んでいます。差し引き(1億7,000万 − 9,200万)で7,800万、今の雇用の7%の増加です。消える仕事があっても、仕事そのものが減るとは限りません。

持ち帰り:自分の仕事を、2つに分けて書き出す

最初の一歩は、自分の仕事を「決まった手順でやる仕事」と「自分にしかできない仕事」に分けて書き出すことです。前者が、AIに渡す候補になります。

書き出した仕事(記入例)決まった手順でやる部分(AIに渡す候補)自分にしかできない部分(残る仕事)
作業者:見積もりを出す過去の見積もりを探し、数量と単価を入れて書類にするお客さんの事情を聞いて、何をどこまで提案するか決める
マネージャー:週ごとの進捗確認案件ごとの状況を集めて、遅れを一覧にする遅れている人と話し、手の打ち方を一緒に決める
社長:月ごとの予実確認売上と費用の実績を集めて、予算と比べる差の理由を聞き、次に広げる事業と組む相手を決める

書き出したら、次の3つを確かめてください。

  • 毎日・毎週くり返している仕事は、どれか。
  • その手順は、自分以外の人やAIが読める形で書かれているか。
  • 空いた時間を、どの「自分にしかできない仕事」に回すか。

会社全体で仕事を洗い出すやり方は、業務の棚卸しのやり方に、棚卸し表のひな形と一緒にまとめています。

まとめ

3年後にAIで消える仕事は、決まった手順でやる仕事からと言われています。作業者ならメールや請求書・見積もり、マネージャーなら管理と評価、社長なら予実の管理です。残るのは、人とのコミュニケーション、新しい企画、仲間を増やすこと、市場をつくること。全員の仕事が1段上がります。ただし、ロボットが要る仕事は3年ではまだかもしれず、データや手順が言葉になっていない仕事は、そもそもAIに渡せません。

最初の一歩として、自分の仕事を「決まった手順でやる仕事」と「自分にしかできない仕事」に分けて書き出してみてください。

※撮影日(2026年10月10日)時点の内容です。どの仕事がいつAIに置き換わるかは、技術の進み方で変わります。

医療、建設、農業、営業、製造、飲食など、さまざまな仕事の人が並ぶAiWiLLのキービジュアル。AIを使いこなす会社は、イケてる。

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