社内システムは、AIに日本語で頼めば自社で作れます。AiWiLLは、会社の情報と仕事をすべて入れて、AIチャットから使える社内システム「WiLLiS(ウィリス)」を、Claude CodeとCodexに作らせました。作り始めてから本番で使うと決めるまで、約3日です。土台にしたCloudflareの設定画面は、私は1ミリも触っていません。費用は人数ではなく使った分だけで、10人ちょっとの今の規模なら、Cloudflareに払っているのは月1,000円ちょっとという実感です。人がやったのは、何を1か所にまとめたいかを決めることと、できたものを使って「ここが使いにくい」を出し続けることでした。いちばん難しいのは、作ることではなく、社内に根づかせることです。

赤堀亘
執筆・監修 AiWiLL株式会社 代表取締役 赤堀亘

AiWiLL株式会社代表。AI顧問「WiLLAGENT」で、企業の仕事をAIと人が進められる形にする伴走支援を行っています。記事では、実務で使える手順と、人が確認すべき点を明らかにします。

この記事は、YouTube「AI顧問の現場録」で、WiLLiSを社員の高橋に実際に使ってもらいながら、何ができて、どう作り、どう直し、いくらかかるのかを話した回の記録です。収録日(2026年10月20日)時点の内容で、作った記録の数字は10月22日時点です。

この記事の結論

  • WiLLiSは、会社の情報と仕事が全部入っていて、AIに聞けば会社のことが分かり、AIに頼めば仕事が進む社内システムです。私たちは「カンパニーブレイン(会社の脳みそ)」と呼んでいます。
  • 経費申請は、AIチャットに「交通費を申請しておいて」と言うだけで終わります。承認する側も、チャットで「問題なければ承認して」で済みます。
  • 作り方は、AIチャットに日本語で「Cloudflareで、こういうシステムを作りたい」と伝えただけです。作り始めて約3日で本番にし、10月22日までに約130回の変更を重ねました。
  • 料金は人数ではなく、使った分だけです。社内の試算では、100人の会社で、一般的なSaaSの組み合わせより月約58万円安くなります(初期の構築と手間は含みません)。
  • 足りない機能は、使う人の「ここが使いにくい」をチャットで受けて、その日のうちに直します。
  • いちばん難しいのは、作ることより社内に根づかせることです。WiLLiSを作れるキットは、11月中に無料で公開する予定です。

動画で見たい方は、YouTube「AI顧問の現場録」の回をどうぞ:CloudflareとAIで、あらゆるSaaSを不要にしたカンパニーブレイン「WiLLiS」を作った全貌!!(2026年10月20日の収録)。

WiLLiSとは:AIに聞けば、会社のことが全部分かる社内システム

AiWiLLはずっと、ほかの会社にAIを入れる仕事をしています。それなら、AIを中心にした経営を、自分たちもちゃんとやらないといけない。ずっとそう思っていました。

目指したのは、次の状態です。自社の情報は、すべてこのシステムの中にある。働けば働くほど、みんなの知識や経験や仕事が、この中にたまっていく。それをAIが見て回れる。だから、みんなはAIに聞けば、この会社のことが全部分かるし、できる。これを形にしたのがWiLLiSです。

図解

  1. ためる

    経費・商談・議事録・ナレッジ・やることを、ぜんぶ1か所に入れる

  2. 読む

    AIが、その中を見て回れる

  3. 頼む

    みんなはAIチャットに聞く・頼む。画面を開かなくても仕事が進む

  4. 育つ

    働くほど中身がたまり、会社だけのシステムになっていく

WiLLiSの考え方:会社の脳みそが育つ

画面もあります。ただ正直に言うと、画面は「こういうものです」と見せるためにわざわざ作ったもので、目標は、私たちの仕事がすべてAIとの対話で終わることです。とはいえ使ってみると、申請がたまったときなど、画面があってよかったと思う場面もありました。

WiLLiSのホーム。今日やること、承認待ちの申請、TODOが並ぶ(画面はデモ用のデータです)
WiLLiSのホーム。今日やること、承認待ちの申請、TODOが並ぶ(画面はデモ用のデータです)

会社の情報を1か所に集めてAIに読ませる考え方は、AIに毎回説明するのは、もうやめように書きました。WiLLiSは、それを会社全体でやるための入れ物です。

経費申請は、チャットで終わる

収録では、高橋に実際に交通費を申請してもらいました。高橋は前の日、熱海から伊東へ移動しています。そこで、わざと「東京と熱海の往復の新幹線代」を申請してもらいました。本当は東京に行っていない、試しのうその申請です。

再現イメージ

高橋

WiLLiS、交通費を申請したい。東京と熱海の往復の新幹線代。昨日乗りました。

AI

領収書はありますか。乗り方も教えてください。

高橋

指定席で。

AI

熱海・東京の往復、指定席で8,540円(片道4,270円)として申請しました。

収録で試した交通費の申請(収録の言葉をもとに短くしたもの。実際の文面ではありません)

AIは、自由席・指定席・スマートEXなど、乗り方ごとの金額を調べて出してから申請をまとめました。交通費をいちいち調べなくていいのは、高橋いわく「めちゃくちゃ楽」だそうです。会食やランチのように領収書がある経費は、レシートの写真を送れば中身を読み取って申請してくれます。

申請が届くと、私のところにはメールで知らせが来ます。リンクから開くと、申請の中身が見えます。この日、高橋は伊東にいました。そこで私は「あなたはこの日、伊東でしょ」と書いて差し戻しました。高橋の感想は「ゾッとする」でした。

差し戻した経費の画面。差し戻しの理由が、申請した人に届く(収録と同じ差し戻しを、デモ用のデータで再現した画面です)
差し戻した経費の画面。差し戻しの理由が、申請した人に届く(収録と同じ差し戻しを、デモ用のデータで再現した画面です)

図解

  1. 申請

    社員がAIチャットに「交通費を申請しておいて」。足りない情報はAIが聞き返す

  2. 通知

    承認する人にメールが届く。管理画面を見に行くのを忘れても大丈夫

  3. 確認

    承認する人がAIに「今たまっている申請に、変なところはない?」と聞く

  4. 承認

    「問題なければ、まとめて承認して」。差し戻すときは理由を書く

経費申請の流れ

承認する側も、画面を開く必要はありません。AIチャットに「高橋さんの伊東・熱海の経費申請は承認します」と言えば進みます。申請がたまっていたら、「変なところはない?」「一覧で出して」「まとめて承認して」で済みます。

なお、うその申請を見抜いて差し戻したのは私です。AIは、申請に足りない情報を聞き返し、金額を調べてくれます。でも、「この日どこにいたか」を知っていて見抜いたのは人でした。レシートをチャットに送って仕訳の案を作った話は、レシートをチャットに投げたら、仕訳案が返ってきたに書いています。

どうやって作った? 日本語で頼んだだけ

作り方は、AIチャットに日本語で「Cloudflareで、こういうシステムを作りたい」と伝えただけです。Cloudflareにアカウントを作り(Googleのアカウントでログインできます)、AIをCloudflareにつないで「つないだから、作って」と頼むと、どんどん作ってくれます。

Cloudflareの管理画面にログインして、中がどうなっているか、データをどう保存するかを見る、ということを私は一度もしていません。設定はすべてAIに頼みました。作るときに使ったのは、Claude Code(Anthropicの、指示を受けてパソコンの上で作業するAI)と、Codex(OpenAIの、同じ種類のAI)です。

社内の記録とGit(変更の履歴を残す仕組み)から数えた、作った記録は次のとおりです。

図解

約3日

10月14日の昼に作り始め、10月17日に本番で使うと決めた

その間に私がしたのは、日本語で頼むことと、使って直すこと

約130回

それまでに重ねた変更の回数

94%の変更に、AI(Claude)との共同作成の記録がある

1,381件

自動テストの数。10月14日は88件だった

直すたびに、壊れていないかを機械で確かめる

51と243

台帳(データの種類)の数と、AIから使える機能の数

経費・商談・議事録・ナレッジなど

WiLLiSを作った記録(2026年10月22日時点)

これまでなら、kintoneのようなツールで一生懸命組み立てていたような社内システムを、AIで一から作れた、ということです。

Cloudflareとは:世界のウェブサイトの約28%が使う土台

Cloudflare(クラウドフレア)は、ウェブサイトやシステムを世界中に届ける仕組みを持つ会社です。世界300都市以上に拠点があり(Cloudflareのネットワーク)、W3Techsの調べでは、世界のウェブサイトの27.8%がCloudflareを使っています(W3Techs、2026年10月)。

WiLLiSで使っているのは、プログラムを動かす場所(Workers)、会社の台帳になるデータベース(D1)、書類の倉庫になるファイル置き場(R2)です。ログイン、データの保存、ファイルの保管、ウェブへの公開が、1つのアカウントの中でそろいます。Cloudflareの全体像はCloudflareとはにまとめました。

図解

Workers

24時間休まず動く事務員

申請を受け付け、AIからの頼みに答える

D1

会社の台帳

経費・商談・やることなどの記録

R2

書類の倉庫

領収書の写真やファイル。預けるのは安く、取り出しの送料がかからない

WiLLiSで使っているCloudflareの部品(たとえ話)

いくらかかる? 人数ではなく、使った分だけ

ここが、いちばん驚かれるところです。

これまでのAiWiLLは、Google Workspaceを土台に、ホームページのためのレンタルサーバー、営業管理とメルマガのためのHubSpot、社内の資料をまとめるツール、業務委託の管理や経費精算のためのツール……と、ツールを1つずつ使って、つないでいました。みんながそれぞれのツールにログインしないといけない。効率もよくない。そこで、「みんながAIでできないのか」という問いから始めたのがWiLLiSです。最初からコストを下げたかったわけではありません。今は、会社のホームページもCloudflareに載せ替え、社内の資料をまとめていたツールも11月末でやめる予定です。

WiLLiSの費用は、Cloudflareの料金と、社員に配っているGoogle Workspaceの料金だけです。そしてCloudflareの料金は、使う人の数ではなく、データの量と、使った回数で決まります。10人ちょっとの今の組織で、Cloudflareに払っているのは月1,000円ちょっとです(私の実感で、請求の額はこの記事では確かめていません)。

収録で私は「100万回リクエストして45円」と言いました。リクエストとは、システムへの1回ごとの頼みごとです。公式の料金では、Workersの有料プランは月5ドルからで、月1,000万回までのリクエストは基本料金に込み。それを超えた分が、100万回あたり0.30ドルです(Workersの料金、2026年10月23日に確認)。1ドル155円で計算すると、0.30ドル×155円=約46円。私の「45円」はおおむね合っていて、しかも月1,000万回までは基本料金の中です。

※補足:収録で話した「10GBで月750円、100GBでも月1,000円ぐらい、1TBでも3,000円ぐらい」は、ファイル置き場(R2)の料金に基本料金を足した概算です。R2は10GBまで無料で、超えた分が1GBあたり月0.015ドルです(R2の料金)。1TBなら、(1,000GB−10GB)×0.015ドル=約14.85ドル。基本料金の5ドルと合わせて約19.85ドル=約3,080円です。台帳のデータベース(D1)は別の料金で、5GBまでは込み、超えた分は1GBあたり月0.75ドル。1つのデータベースは最大10GBです(D1の料金)。

社員1人あたりで見ると、こうなります。

図解

  1. Google Workspace

    1人 月1,900円(Business Standardの月ごとの契約・税別。年契約なら1,600円)

  2. WiLLiS(Cloudflare)

    月1,000円ちょっとを10人で割って、1人 約100円

  3. 合計

    1人 月約2,000円で、メール・会議・AI・社内システムがそろう

今の規模(10人ちょっと)での1人あたりの月の費用

(Google Workspaceの料金は公式の料金ページで2026年10月23日に確認。)

ふつうのSaaS(ネットで使う業務ツール)は、1人あたり月1,000円、2,000円と、人数に比例して増えていきます。WiLLiSは人数で増えません。

では、ほかの規模の会社ならどうなるか。社内で、従業員20・100・500・1,000人の会社が、一般的なSaaSを組み合わせて使う場合と、WiLLiSを使う場合の月額を試算しました(2026年10月19日、公開価格で計算・税別)。

従業員入れているSaaSの数(Google Workspaceを除く)一般的な組み合わせ(MFクラウド+中位の製品)WiLLiS1年で浮く額
20人4個54,980円39,389円約19万円
100人9個770,980円194,891円約691万円
500人14個6,584,580円990,298円約6,713万円
1,000人20個14,910,280円1,988,981円約1億5,506万円

どちらにも、両方で同じだけかかるGoogle Workspace(1人1,900円)を入れています。WiLLiSの合計のほとんどは、このGoogle Workspaceです。ツール代だけで比べると、100人の会社で、一般的な組み合わせは月約58万円、WiLLiSのCloudflareとAIの費用は月約4,900円です。安めの製品(ジョブカン・freeeなど)の組み合わせと比べても、100人で年約419万円の差になります。

この試算の前提です。公開価格を人数・件数に掛けた概算で、大きい会社ほど、実際は見積もりで上下します。WiLLiS側は、私たち5人が使った実測(2026年10月18〜19日。開発の作業が多い日)を人数に掛けました。初期の構築費用と、組み立てる手間・直す人の手間は入っていません。20人の会社は入れているSaaSが少ないので、差は月1.6万円ほどです。差が大きく出るのは100人からです。

何ができる?

WiLLiSは、「これをできるようにしたい」と言えば、そのように作り変えられます。今のAiWiLLで動いているのは、次のようなものです。

図解

経営

会社の数字、固定費、契約、請求と入金、支払いの予定

決めたことの記録も残る

マーケ・営業

作ったコンテンツ、見込み客、商談、見積書、代理店、問い合わせ

問い合わせへの返事もここにまとまる

提供

お客さんとの打ち合わせの記録

今どんな提案をして、どこまで進んだかもチャットで分かる

総務

社内手続きの依頼、面談の申し込み、給与明細の配布

見せる人を絞るものは絞った側に置く

経理

立て替えた経費、交通費、お客さんへの請求書の作成と送付、業務委託の人の請求

レシートは写真を送るだけ

稼働

AIチャットでの仕事の記録が、そのまま稼働の記録になる

日報の下書きも自動

今のWiLLiSでできること(2026年10月時点)
アプリ一覧の一部(経営・マーケ・営業)。アイコンの色で、見られる範囲が分かる(画面はデモ用のデータです)
アプリ一覧の一部(経営・マーケ・営業)。アイコンの色で、見られる範囲が分かる(画面はデモ用のデータです)

いくつか補足します。

  • 決めたことの記録:AIとのやり取りから、誰が何を決めて、何を作ったかを取り出せます。会社の意思決定の記録が、あとから全部見えます。
  • 見られる範囲:画面のアイコンの色で、全員が見られるもの、幹部まで、経営陣だけ、と分けています。
  • 稼働の記録:AIチャットで仕事をした記録が残るので、出勤・退勤のタイムカードはいりません。パソコンを使わない仕事の人は、日報を出してもらえばOKです。Plaudのような録音機で録った商談をAIに渡して「今日やったのはこれだから記録しておいて」と言えば、日報と作業の記録になります。
  • 業務委託の人の請求書:自分の請求書の形がなくても、AIチャットに業務の内容を伝えれば、請求書を作って申請できます。

※補足:給与は、今は明細と源泉徴収票の配布までです。給与の計算と振り込みは準備中で、まだできません。社会保険などの、役所への電子申請もしていません。

AI時代ならでは:仕事のやり方とファイルが会社に残る

私がいちばん大事だと思っているのは、ここです。WiLLiSには、AIのスキル(決まった仕事の手順書)、ナレッジ、ファイルも全部入ります。

たとえば「YouTubeの動画を編集して。素材は社内のどこかにある」と頼むだけで、AIはファイルを探して取ってきて、社内の編集のスキルを使って編集します。ファイルの置き場所が分からなくても、AIに探させればいい。会社のやり方と情報がそろっていれば、「あれやって」でできていきます。

実は、WiLLiSは最初からこれを作りたかったのです。作ってみたら、ついでに会社の仕事が全部できるようになっていました。

使っている高橋が驚いたことも、いくつか挙がりました。

  • 商談の前に、AIから「今日の商談先で確かめるのはこれ」とメッセージが来る。「怖いよね」「怖い。AIにマネジメントしてもらってるよね」と2人で笑いました。
  • 絵本の印刷を「印刷会社に入稿できる形式でやっておいて」とAIに頼んでいて、本当かと思ったら、ちゃんと「発送しました」と知らせが来た。
  • 申請が来ると、毎回Gmailに知らせが届く。「管理画面を見るのを絶対に忘れるタイプなので、ありがたい」。

AIに教えた仕事を手順書にして、次から1行で頼めるようにするやり方は、AIに教えた仕事を1行で再現する「スキル化」入門に書きました。

入社したら、何から?

新しく入った人には、Googleのアカウントを渡します。WiLLiSには、そのアカウントでログインします。会社が登録した人だけが入れて、退社したら止めます。

WiLLiSを開くと「はじめての方へ」のガイドがあり、会社の働き方、AIのつなぎ方、仕事の進め方の社内研修7本が入っています。これを見れば、基本的に仕事ができる状態です。

図解

  1. 受け取る

    会社からGoogleのアカウントを受け取る。メール・会議・カレンダー・AIが使える

  2. 入る

    そのアカウントでWiLLiSにログインする

  3. つなぐ

    ふだん使うAIとWiLLiSを、MCPでつなぐ

  4. 学ぶ

    「はじめての方へ」と社内研修7本を見る

入社した人が最初にやること

MCP(Model Context Protocol)は、AIが外のシステムやデータとつながるための共通の決まりです(Model Context Protocol)。WiLLiSはMCPでつなげるように作ってあるので、AIの種類を選びません。

AiWiLLのふだんの仕事は、GoogleのAntigravity(エージェント型のAIの道具)とWiLLiSをMCPでつないで回しています。AntigravityがMCPに対応していることは、公式のドキュメントにも書かれています(Antigravity Docs「MCP」、2026年10月23日に確認)。最先端のClaude CodeやCodexほどではないものの、経費申請や社内情報の検索のような日々の仕事には十分な性能です。高度な設計や、お客さんへのコンサルの仕事をする人には、ClaudeのTeamプランを渡しています。会社で使うAIとプランの考え方は、社長が使うならChatGPT・Gemini・Claudeのどれ?に書きました。

足りない機能は、どう直す?

使ってみてしっくりこないところは、その場でAIに直してもらいます。「ここをこうして」と頼むと、AIがプログラムを書き直し、「本番に反映しますか」と聞いてきます。問題なければ「はい」で書き換わります。

いちばん大事にしているのは、社員が使いやすいことです。だから、使う人の「ここ使いにくかった」をすぐ上げられる受け口を作りました。たとえば、スタッフから「レビューの依頼を出したあと、取り下げしかできない。直すボタンがほしい」と届きました。私はチャットで「どう直したらいい?」と聞き、出てきた案で「それで直して」と頼むと、直して本番に出したところまで、まとめて報告してくれました。

図解

経費申請をもっと楽に

「写真と『誰と何をしたか』だけで出せるようにして。あとはAIで仕分けて」

同じ日に本番へ

自分の依頼を1か所で

「自分の依頼と、その履歴を1か所で見たい」

約20分で作り、翌朝に本番へ

意見の受け口

社員の意見を代表に届ける「修正依頼」の受け口

意見が記録されてから約1時間で作った

実際に直した例(2026年10月)

自分で使って変え、スタッフに使ってもらって、変えてほしいところが上がってくる。それをすぐ伝えれば、システムがどんどん直っていく。毎日の仕事が積み上がって、会社のデータ、会社の脳みそが育っていく。使うほど、自社だけのシステムになっていきます。これがWiLLiSのいちばん画期的なところだと思っています。

自社でも作れる?

作れます。WiLLiSを組み立てるキット(プログラム一式)を、11月中に無料で公開する予定です(2026年10月20日の収録時点の予定)。GitHubに置くキットのリンクを、ふだん使っているAIチャットに渡して「自社のWiLLiSを作りたい」と言えば、準備するものから順番に、チャットで案内されて最後までできる形を目指しています。WiLLiSという名前は変えずに、ロゴを自社のものにして、中身を自社に必要な機能に作り変えて使ってもらいたいと思っています。

ただ、作ることよりずっと難しいのが、社内に入れること、根づかせることです。社内の社長や部長が「今日からこれを使ってください」と言うと、反発が出ることがあります。外の人が言うと角が立たない、ということもあります。AIを前提にした仕事のあり方や、AIを使うとはどういうことかを伝える教育も要ります。そこは、AI顧問としてお手伝いします。

聞いていた高橋は、「担当している会社さんにも、無料のコードを使ってみてと送りたい」と言っていました。

この作り方が向かない場合と、先に決めること

どんな会社でも、日本語で頼むだけで同じようにできるわけではありません。始める前に、次のことを確かめてください。動画では話していない補足も含みます。

  • AIを使う人がいない:WiLLiSは、AIで仕事をする前提のシステムです。社員がまだAIを使っていないなら、先にAIで仕事をする人を育てるところからです。分かれ目は社員がAIを使ってくれない理由に書きました。
  • 何を1か所にまとめるかが決まっていない:AIは作れても、どの仕事をどこまで載せるかは決めてくれません。最初は1つの申請からで十分です。
  • 見られる範囲を決めていない:給与、お客さんの事情、金額のような情報を、誰が見てよいかを先に決めてください。WiLLiSは見られる範囲を段階で分けていますが、どこに置くかを決めるのは人です。
  • 法律で決まった手続きや保存:給与計算、社会保険の手続き、帳簿の保存のように決まりがあるものは、専門のサービスや専門家に確かめてください。WiLLiSも、給与の計算と役所への電子申請はしていません。
  • 大きい会社:Cloudflareのデータベース(D1)は、1つ最大10GBです。数百人を超えるなら、データベースを分ける設計が要ります。
  • 直す人と、判断する人:AIが直してくれても、「本番に出してよいか」を判断する人は要ります。今回の差し戻しのように、最後に見抜くのが人の場面もあります。
  • 構築の手間:費用の試算には、初期の構築と、組み立てる・直す人の手間は入っていません。

持ち帰り:自社のどの申請から試すか、1つ選ぶ

最初の一歩は、自社のどの申請から試すかを1つ選ぶことです。交通費、立て替えた経費、休みの申請。毎週のように出ていて、紙やメールで回しているものがいちばん向いています。

選んだら、次の4つを書き出して、AIに渡します。

  • 誰が申請して、誰が承認するか
  • 申請に要る項目(日付・区間・金額・領収書の写真など)
  • 承認した後にどうなるか(給与と一緒に払う、など)
  • 見てよい人と、見せない人

再現イメージ

あなた

Cloudflareで、社員が交通費をAIチャットで申請して、私がチャットで承認できる仕組みを作りたい。申請に要るのは日付・区間・金額・目的。承認したら、月末の支払いの一覧に入れて。申請した本人と私以外は見られないようにして。

AI

まずCloudflareのアカウントとの接続を確かめます。そのあと、申請の台帳と、申請・承認の流れを作り、試しの申請で動くかを確かめます。

最初の頼み方の例(この記事のために書いた例です。実際のやり取りではありません)

1つの申請が動いたら、次の申請、次の台帳と、少しずつ足していけば、会社の脳みそが育っていきます。

まとめ

社内システムは、AIに日本語で頼めば自社で作れます。AiWiLLのWiLLiSは、作り始めて約3日で本番になり、Cloudflareの料金は人数ではなく使った分だけです。経費申請も承認もチャットで終わり、足りない機能は、使う人の声を受けてその日のうちに直ります。人がやるのは、何を1か所にまとめるかを決めること、見てよい範囲を決めること、そして社内に根づかせることです。

最初の一歩として、自社のどの申請から試すかを1つ選んでみてください。

※収録日(2026年10月20日)時点の内容です。作った記録は2026年10月22日時点、Cloudflare・Google Workspace・Antigravityの料金と仕様は2026年10月22〜23日に公式の資料で確認した内容で、変わることがあります。費用の比較は社内の試算(2026年10月19日、公開価格で計算・税別)で、実際の金額は会社ごとに異なります。

医療、建設、農業、営業、製造、飲食など、さまざまな仕事の人が並ぶAiWiLLのキービジュアル。AIを使いこなす会社は、イケてる。

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